世界が熱視線、日本のシティポップに見る恋愛観 ユーミン、大滝詠一etc.80年代音楽がいま新鮮
今、世界中で注目されている日本のシティポップ
山下達郎、竹内まりや、大滝詠一、杏里……こういったアーティストの名前を見て、諸兄は懐かしいと思うだろうか。もしくはまったく聴いたこともないという世代もいるかもしれない。
今、こういった1970〜1980年代に作られた「シティポップ」と呼ばれている日本の音楽が、世界中で注目されている。
シティポップとは、フォークや歌謡曲が全盛だった当時、洋楽に影響を受けて作られたポップスのことで、それが逆に今、アメリカやアジアで新鮮な音楽として受け入れられているのが面白い。
YouTubeや音楽ストリーミングサービスを通じて世界中で再生され、欧米の大物アーティストたちが日本の楽曲を引用して新たなヒット曲を生み出している。
全米2位の大ヒットを記録したThe Weekndのアルバム『Dawn FM』(2022年)に収録された「Out of Time」は、亜蘭知子が1983年に発表した「Midnight Pretenders」をサンプリングした曲だ。
『「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!』の著書、栗本斉さんによると、「シティポップの名曲が今になって受け入れられている理由は、メロディーやアレンジはさまざまだが、主にサウンド面について語られることが多い。しかし、シティポップは歌詞の世界観も特徴的。都会やリゾートを舞台に展開される大人の恋は、当時の若者にとって憧れの世界でもあった」とその魅力を話す。
そこで今回は栗本さんに、シティポップの人気曲から当時の恋愛観を読み解いてもらった。