世界が熱視線、日本のシティポップに見る恋愛観 ユーミン、大滝詠一etc.80年代音楽がいま新鮮

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よりドライな女性を描いた名曲

竹内まりや「PLASTIC LOVE」が収録されたシングル(写真:OCEANS編集部)

もっとドライな女性を描いた名曲というと、竹内まりやが1984年に発表した「PLASTIC LOVE」が筆頭だろう。

この曲もブラックミュージックに影響を受けたサウンドが受けて、海外でのシティポップ・ブームを牽引した一曲だ。

主人公の女性は夜遊びに興じて、「恋なんてただのゲーム 楽しめばそれでいいの」と強がるが、実は別れた彼のことが忘れられない。

しかも、ディスコで知り合う男性はいつも彼に似ていて「なぜか思い出と重なり合う」ため、ときには涙ぐんだりしてしまうのだ。

竹内まりやに限らず、当時の楽曲にはこういったタイプの女性がよく登場する。

恋愛はあくまでも遊びと言いながらも、実は本当の愛に飢えている、恋愛ベタという女性像は鉄板だ。

昼間はサーフィンやテニス、夜はディスコといった1970~1980年代の若者文化の裏には、気軽にナンパするようなシチュエーションも数多くありり、軽薄な恋愛がはびこっていた時代でもある。

それだけに、本当の恋とは、真の愛とは、といったメッセージが密かに込められた楽曲は、当時の女性たちに共感を得ていたのではないだろうか。

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