世界が熱視線、日本のシティポップに見る恋愛観 ユーミン、大滝詠一etc.80年代音楽がいま新鮮

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シティポップで歌われる恋愛観は、それまでの歌謡曲やフォークにおける湿っぽい感覚ではなく、もっとライトでアメリカナイズされたものと言ってもいいだろう。

とはいえ、そこには時代感や日本的な要素も感じられる。

荒井由実「ルージュの伝言」が収録されたアルバム『COBALT HOUR』(写真:OCEANS編集部)

例えば、シティポップの代名詞でもあるユーミンこと荒井由実(松任谷由実)。

「ルージュの伝言」の歌詞から読み取れる女性像

彼女の代表曲の1つであり、ジブリ映画『魔女の宅急便』でも使われた「ルージュの伝言」(1975年)の歌詞を見てみよう。

この曲の女性は、浮気症の彼氏にお灸をすえるために、彼のママに会いに行くという設定だ。

オールディーズ風の軽快な曲調やポップな言葉遣いからすると“幼い感覚のカップル”といった感もあるがそうではない。

彼と彼女は親公認の同棲、もしくは結婚したカップルであり、「バスルームに ルージュの伝言♪」という一節からも、大人の女性が主人公であることがわかる。

あえてライトに振る舞っているが、たそがれ時にひとりで列車に乗って彼の母親のもとに向かう不安な気持ちがよく描かれており、逆に遊び人な彼への想いが浮き彫りに。

この曲には、気持ちとは裏腹に強がる女性が描かれている。

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