6位の楽天グループも、近年とくに就活生に意識されるようになった。最近の楽天の事業拡大が目立ち、中でも学生の関心が高い携帯電話事業によって知名度が向上したのだろう。学生ユーザーの取り込みのため、大学キャンパスのある地域での基地局整備も知名度を上げたはずだ。
ただ、コメントを読むと、学生が強い印象を持つ理由は英語力だ。「社内の公用語が英語と聞いた事や、TOEICなどの英語資格で非常に高い点数が要求されるから」「英語が公用語と聞いたから」「TOEIC800以上の人が多いらしいから」と強烈なインパクトを受けている。
英語力のない学生は応募できないが、排除された学生は悪い印象を持っているわけではないようだ。
広告業界も目立つ。電通(10位)は総合広告、サイバーエージェント(19位)はインターネット広告の最大手企業だ。
電通に対しては「人気の高い広告代理店の中でも最大手であるから」「倍率が高くて選考が大変そうだから」というコメントがあるが、業務内容には触れられていない。サイバーエージェントに対しては「企業の考えが上昇志向で、積極的。内定者に対して事業提案のイベントも行っているため」「メガベンチャーだから」と元気のよさが学生に伝わっている。
両社とも広告業界と言えばその通りだが、実態はかなり異なる。電通はグローバルに活動しているし、国内の地方創生事業にも携わっている。一方のサイバーエージェントはインターネット広告も手がけるが、IT企業の側面もあるし、Abemaテレビも提供している。
勢いのあるIT企業
現在は電通の規模が圧倒的に大きいが、勢いはサイバーエージェントにある。今年の5月20日にサイバーエージェントの時価総額が終値ベースで電通を上回った。原因は、電通の海外事業がコロナショックで低迷したことだそうだ。
こういう情報が口コミで広まると、サイバーエージェントを志望する学生はさらに増えそうだ。
今回のトップ20を見ると、楽天グループ(1997年設立)とサイバーエージェント(1998年設立)が際だって若い。ヤフーのアメリカでの設立は1994年だし、キーエンスは1974年と50年未満の歴史だが、そのほかのほとんどの企業は100年を超す歴史を持っている。
日本にはベンチャーが少ないといわれるが、楽天やサイバーエージェントのような成功例が目立ち始めた。来年度もこの2社が「優秀な学生が内定を取るイメージが強い会社」に選ばれるだろう。いまわれわれが予想しないベンチャー企業も登場するかもしれない。
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