元宝塚・瀬奈じゅん「特別養子縁組で気づいた事」 彼女が感じた「1つじゃない」家族と幸せのカタチ

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©MIKI HASEGAWA

私たちは特別養子縁組で息子を迎えた翌年に、その事実を世間に公表しました。特別養子縁組制度について正しい知識や情報を発信する『&family..』も立ち上げ、講演活動などを通じて自分たちの体験を伝えています。

どれを選択しても「当たり前」の世界になれば

この選択に対して否定的な声が上がることも覚悟していましたが、多くの方から温かい言葉をたくさんいただき、時代とともに家族観も変わりつつあるのだと感じました。

『ちいさな大きなたからものー特別養子縁組からはじまる家族のカタチ』。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

私たちは、特別養子縁組をことさらに推奨しようとは思っていません。ただ、誰もが知る制度として世の中に広く認知されてほしい。それが目標です。

なかなか子どもを授からなかったり、不妊治療で結果が出なかったりすると、どうしても自分を責めてしまう。「私の何がいけないんだろう」「もっとできることがあるんじゃないか」と頑張りすぎて、私と同じように心身をすり減らしていく人は大勢います。

治療に真剣に取り組めば取り組むほどやめ時を見失い、自分を追い詰めてしまうのです。でも、特別養子縁組が当たり前の選択肢として浸透すれば、きっと不妊治療との向き合い方も変わってくるでしょう。

愛のかたちも、家族のかたちもさまざまであるように、幸せのかたちも1つではないと、息子との出会いが私に教えてくれました。どれを選択しても、それが当たり前のこととして受け入れられる世の中になってほしい。心から、そう願っています。

・書籍情報

ちいさな大きなたからもの
~特別養子縁組からはじまる家族のカタチ~

元宝塚歌劇団月組トップスター瀬奈じゅんさんは、夫の千田真司さんと結婚したのを機に、不妊治療を始めます。いつしか「妊娠」がゴールになっていたつらい治療の日々。そんな中「特別養子縁組」という制度を知り、これが最後と決めた不妊治療に挑みます。しかし結果はかなわず。2人は涙しました。

特別養子縁組で子どもを迎えると決意した2人は迎え入れの準備を進めます。ほどなくして迎え入れる子どもが生まれたとの知らせが届いたとき、瀬奈さんは、自分を取り巻く光の色合いが一気に変わったといいます。そして生後5日の赤ちゃんを迎え、新しい家族の日々がスタートしました。

瀬奈じゅんさん、千田真司さん夫妻の体験を通じて、不妊治療に悩んでいる方や、病気、その他さまざまな事情で子どもをあきらめないといけないと思っている人たちにむけて「産むことだけが選択肢じゃない。特別養子縁組という選択肢もある」ということを示した作品です。

著者:瀬奈じゅん・千田真司
定価:1400円+税
発行:方丈社
>>詳しくはこちら

取材・文/塚田有香

<プロフィール>
瀬奈 じゅんさん
:1992年、宝塚歌劇団に入団。2005年、月組男役トップスターに就任。2009年の退団後は、舞台やテレビ番組などで幅広く活躍。私生活では、俳優・ダンサーの千田真司さんと結婚。2017年に特別養子縁組で子どもを家族に迎える。翌年にその事実を公表するとともに、特別養子縁組の啓蒙活動を行う『&family..』を立ち上げ、講演会やメディアを通じた情報発信を行っている
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『Woman type』編集部

「Woman type」は、キャリアデザインセンターが運営する情報サイト。「キャリア」と「食」をテーマに、働く女性の“これから”をもっと楽しくするための毎日のちょっとしたチャレンジをプロデュースしている。

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