長生きしたいなら「避けたほうがいい」身近な食材 砂糖を減らすことは腸内環境を整えるのに最善

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砂糖の代用品

スクラロース、サッカリン、アスパルテームなどの甘味料は、本物の砂糖と同じく腸内環境に悪影響を及ぼす。腸内微生物叢を変化させ、悪玉菌を優位にさせてしまうのだ。

最近の研究では、「スプレンダ」として売られているスクラロースを摂取すると、糖負荷試験で血糖値とインスリン値が水を飲んだときと比べて高くなることが明らかになった。さらに、政府が何と喧伝しようと、スクラロースは不活性ではなく、数週間にわたって体内に残留する可能性のある毒性化合物に変換される。

また、人工甘味料は体重増加を促す。これは、甘い物質が舌に付着すると、受容体が甘みを感じるからだ。すると、舌の神経が動き出す。脳の報酬中枢にある快楽受容器に、このすばらしい甘い食べ物をもっと食べろと命令するのだ。なぜか? それは、季節が変わって食べ物がなくなったときに備えて、脂肪を蓄えるために必要だからだ。

人工甘味料は、本物の砂糖と同じ快楽信号を脳に送るように設計されている。しかし、本物の砂糖のカロリーが血流に乗らないと(そもそもブドウ糖を摂取していないので)、脳は騙されたと感じ、約束されたはずの砂糖が届かないことに腹を立てる。

すると、脳はどうするか? 体にもっと糖分を取れと伝えるのだ。人工甘味料を摂って、脳や善玉菌をイライラさせるのはやめよう。

従来通りに作られた乳製品

自己免疫疾患を引き起こしうるβ-カゼインA1の危険性についてはご存じだろう。もちろんこうした反応は、牛の乳で作ったミルクやチーズ、アイスクリームなどを摂取するほど悪化する。痛みや不快感を伴う乳糖不耐症を訴える人の多くは、実はβ-カゼインA1不耐症に苦しんでいるのだ。

けれど、落ち込む必要はない。ヤギ、ヒツジ、水牛と同じく、牛にもβ-カゼインA2という別のタンパク質を作っているものがあり、それは体に良いからだ。乳製品に関しては、正しい種類の動物から正しい種類のタンパク質を選ぶことが重要だ。

嬉しいことに、前著『食のパラドックス』(翔泳社、2018年)が出版されてから、β-カゼインA2製品が広く出回るようになった。ぜひそういったものを選んで、健康を損なわずに乳製品を楽しんでほしい。

β-カゼインA2はヤギやヒツジ、水牛の乳に含まれており、フランスやイタリア、スイスなどの輸入チーズに含まれている。また、ヤギやヒツジ、水牛のバターは透き通るような白色をしているが、これはヤギやヒツジ、水牛が食べたものに含まれる銅色のβカロチンを無色のビタミンAに変換するのに対し、牛はそれをしないためだという。

水牛のモッツァレラ、通称「モッツァレラ・ディ・ブッファラ」を食べたことがあるだろうか。水牛のモッツァレラは、他のものでは味わえないほどクリーミーだ。

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