チョコ好きの人に教えたい「身体にいい」食べ方 「腸内環境を整えるための食材」とは何か?

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ただし、コンビニなどに並ぶチョコレートバーを手に取る前に思い出すこと。ミルクチョコレートの主成分は砂糖で、健康上の利点はない。少なくともカカオ含有量72%以上のものを選ぼう。できるだけダークな方が良い。チョコレートの摂取量は1日28g程度に留めよう。

私はカカオ90%以上のチョコレートをよく食べる。また、「アルカリ処理」(ダッチ・プロセス)されたチョコレート製品は避けること。アルカリ処理は、健康を促すチョコレートのポリフェノールを破壊してしまう。

お茶の力

緑茶

私が愛飲している温かい緑茶は、自己免疫疾患の症状を改善し、病状を軽減する。これは、自己免疫T細胞とその炎症性サイトカインの増殖を抑制するためだ。私は緑茶とミントティーを1日に5杯ほど飲んでいるが、自己免疫疾患の患者もそうではない人も、炎症を抑えるために同じように飲むことを勧める。

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さらに長寿を目指すなら、オーガニックのプーアール茶がおすすめだ。この発酵茶は、脂質の酸化を抑えることがわかっている。プーアール茶に含まれるポリフェノールには、鉄分濃度を低下させる働きもある。

いや、「鉄欠乏性貧血」にはならない。鉄は老化を促す代表的な化合物のひとつだ。鉄分濃度が高いと、文字通り錆びてしまう。そして、プーアール茶はアッカーマンシア菌の成長を促す。この細菌が増えてほしくない人はいないはず。

さて、さまざまなおいしい食材を紹介してきた。腸の仲間たちがここまでセンスがいいとは思わなかったろう。食事を楽しみながら腸内環境を整えるのは、とても簡単なことだ。ただし、うっかり悪玉菌が好む食事はしないよう気をつけよう。

(訳/川岸 史)

スティーブン・R・ガンドリー M.D.医学博士

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Steven R. Gundry

ヒト微生物叢と腸との関わりの世界的権威。2000年、手術不能な冠動脈疾患患者が食事法の変更とニュートリシューティカル(アミノ酸)サプリメントの組み合わせによって劇的に回復したことに感銘を受け、それまでのトップ心臓外科医としてのキャリアの方向性を大きく変えて、カリフォルニア州パームスプリングスとサンタバーバラに国際心肺研究所と、その下部機関として回復医療センターを設立し、研究と臨床を行なっている。独立医師格付け機関キャッスル・コノリーによる米国のトップドクターに21年連続で選出。イェール大学、ジョージア医科大学卒業。

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