コロナ禍でも都心部へ流入、「脱東京」のまやかし 東京の要介護認定者は鳥取の人口を超える

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では、実際の人口はどうなっているのか。コロナ禍のスタート時点を2020年1月下旬のダイヤモンド・プリンセス号での感染事例からとして、その後の東京都の日本人人口の推移を検証してみた。

2020年1月1日時点/1325万7596人(コロナ直前)

2020年5月1日時点/1331万9807人(4月に緊急事態宣言)

2021年1月1日時点/1329万7089人    

2021年5月1日時点/1331万2939人

2022年1月1日時点/1327万7052人

2022年5月1日時点/1329万1738人

意外に思われるかもしれないが、東京都の日本人人口は2020年3月の1325万7504人を底に、社会がコロナ禍に苦しんだどの時点で見ても、コロナ直前の水準を上回っている。ちなみに最初の緊急事態宣言が発令された2020年4月以降で最も少なかったのは、今年3月の1326万3942人である。

その後、春の転入シーズンを迎えると2カ月連続で増え、5月は1329万人台まで回復した。一時期「コロナでリモート移住」といった情報がメディアから流れた。もちろん一部にはそうした動きもあっただろうが、「脱東京」という大きな流れにはならなかった。

2022年1月は前年に比べると約2万人の減少だが、2021年の自然減が3万人超と多かったのが主因で、同年は約1万人の転入超過だった。(ただし2021年は自然減が前年よりも1万人以上増えている。コロナとの関連が気になるところだ)。

都心部の増加率が高い

では、東京の人口はどのエリアが増えているのか。コロナ前の2019年5月と2022年5月で比較してみよう。区部(23区)は4万0609人の増加、市部(26市)は1万3206人の増加となっているが、郡部は1522人の減少、島部は1172人の減少と二極化がみられる。

23区では増えたのが16、減ったのが7で明暗が分かれた。中央区は7572人増で増加率は4.84%と高い。その他では、千代田区2654人(4.30%増)、台東区5856人(3.16%増)、文京区4852人(2.28%増)など、都心回帰現象が浮き彫りになっている。タワマンが林立する江東区は7627人増だが、増加率は1.55%にとどまっている。

減少したのは目黒、大田、豊島、板橋、足立、葛飾、江戸川の7区。この中では江戸川区の減少数9333人、減少率1.41%が目立つ。

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