日本とフランス「コロナ後の社会」はこんなに違う メディアだけが恐怖をあおっている状態

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パリには観光客が戻りつつあり、日常の風景を取り戻している(写真:Anita Pouchard /bloomberg)

フランスに住む日本人女性のくみと、日本に住んだ経験を持つフランス人男性のエマニュエルが日本とフランスの相違点について語り合う本連載。今回はフランス人のマスクや新型コロナに対する「今の気持ち」について。フランスではすでにコロナは「終わったもの」とみなされているようですが……。

公共機関でもマスク着用義務解除

エマニュエル : この2年間、ロックダウンやワクチンパスポートなどさまざまな感染対策が行われてきたけれど、5月16日についに公共機関でのマスク着用義務が解除された。現在では80%以上の成人が少なくともワクチンの1回接種を終えていることもあって、残っている感染対策はもうほとんどないといってもいいような状況だ。

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今回はどうやって感染対策がフランスで解除されていったのか、それについてのフランスでの人々の反応について話をしていこうと思う。おそらく日本でも同じような状況にあるんじゃないかな。

くみ : フランスはかなり落ち着いてきてたものね。それに、まずは屋外、次に室内、そして最後に公共交通機関、とマスク解除の段階を追ったのも安心感があった。今も病院だけは義務が残ってるよね? それも筋が通っていると思うし、一応ある程度万人が納得できる政策なら個人的にはそんなに問題はないと思うな。

ただ、やはり公共交通機関では混んできたり、近くに人が多かったりしたら私は今でもマスクするし、別にそれをとがめる人ももちろんいない。逆に、屋外でもほとんどつねにマスク着用の人も見かけるよね。それも各自の事情もあるだろうし自由だと思うから、全員がマスクしなくてはならない状況を脱したのであれば、あとは個人が選択できるというのが好ましいよね。

エマニュエル : フランス人が今回の規制解除をどう感じているか。この2年間、何度もコロナ禍はもう終わった。これからは以前の生活に戻る。という言葉を聞いてきてその都度新たな変異株が現れるというのを繰り返してきたので、慎重になってもおかしくはない。

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