日本とフランス「セクシー広告」の扱いは全然違う 公共空間で露出過剰な女性をさらすのはありか

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日本とフランスの広告事情の違いとは(写真:Anita Pouchard Serra/Bloomberg)

フランスに住む日本人女性のくみと、日本に住んだ経験を持つフランス人男性のエマニュエルが日本とフランスの相違点について語り合う本連載。今回は公共空間における広告について。日本では肌を露出した女性が被写体となった広告などを見かけることは少なくありませんが、フランスでは事情が異なるようです。

フランスでは露出過剰な広告は違法?

くみ : フランスに住み始めてからしばらくして、人生初のニューヨークに行った時、街中を走るタクシーが女性の写真付きの「ジェントルメンズ・クラブ」といった広告を頻繁に付けているのを見てとてもびっくりした記憶がある。その後、ヨーロッパの他の国でもそういうタクシー広告を見かけて驚いたんだけど、フランスではパリでもどの街でもそんな広告は見かけないよね?

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メトロの中吊りで週刊誌の広告に、夏のバカンス中にビーチでトップレスになった有名人などを盗撮した写真が小さく載っていたのは覚えているけど……。公共空間での広告規制については決められているの?それともかつてのフェミニズム運動などの結果、不文律でそういう広告は出さないという暗黙の了解が維持されているの?

エマニュエル : 確かにフランスではそういった広告を見ることはないね。というのも、フランスでは刑法典によって違法行為とされているからだ。1994年に発行された、刑法典にはこう書かれている。

「未成年者(18歳未満)が閲覧できる状況のもと、方法、および媒体の如何を問わず、暴力的、ポルノ的(動物を使用したポルノを含む)、人間の尊厳を著しく侵害する性質のもの、また未成年者を身体的に危険な行為に煽動するメッセージを作成、転送、頒布すること、またそれで経済活動をした場合は、3年の禁固刑、7万5000ユーロの罰金とする」

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