ダボスで見た「ウクライナめぐる情報戦」の熾烈 メディアを駆使してロシア包囲網強め中国も牽制

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しかしダボス会議の参加者すべてが、ロシア排除で一枚岩になっているわけではない。

今後注目される国際会議の一つが、11月にインドネシアが議長国として開催することになっているG20首脳会議だ。ダボスで筆者がインタビューしたあるインドネシアの要人は「多様性の中の統一」という同国の国是を引きつつ、ロシアを含めたすべてのメンバーが参加することの意義を強調していた。

次回はロシアからの参加が認められる?

関係者によると、次回のダボス会議は2023年1月に開催されるとのことだ。その時点までにウクライナで停戦が実現していれば、次回にはロシアからの参加が認められる可能性がある。

スイスも長年の中立政策を見直している。首都チューリッヒでは街のあちこちにウクライナの二色旗が掲げられていた(写真:筆者撮影)

延期に次ぐ延期で急ごしらえ感が強かった今回のダボス会議に、日米中の首脳の姿はなかった。ウクライナ情勢が深めた世界の分断がさらに進むのか、次回のダボス会議はそれを占う試金石になりそうだ。

舛友 雄大 中国・東南アジア専門ジャーナリスト

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ますとも・たけひろ / Takehiro Masutomo

カリフォルニア大学国際関係修士。2010年中国メディアに入社後、日本を中心に国際報道を担当。2014年から2016年までシンガポール国立大学で研究員。

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