仕事で存在価値を高める「自分の強み」の見つけ方 得意なことは「これまでの行動」に隠されている
「どうせなら、好きなことを仕事にしていきたい」「好きなことであれば長く続けられる」という考え方になっていくのは自然の流れです。
年功序列・終身雇用の時代は、職人や個人事業主以外の、いわゆる会社勤めの人は、「会社に就く」という価値観が主流でした。一流大学に入って一流企業に入れば安泰、という考え方がまかり通っていました。
そのような状況に変化が生まれ始め、コロナ以降のこの2年間で一気に変わりました。大企業までもがジョブ型雇用を採用しだし、年功序列や終身雇用の考え方は薄くなってきました。会社に就くという考え方ではなく、まさに「職に就く」という考え方が主流になってきています。
都内の一流私立大学から今春、大手広告代理店に入社した新入社員の中にも、「5年ぐらい経験を積んで起業したい」と言っている若者が少なからずいることを、つい先日耳にしました。
ゼネラリストとして、定年を迎えるまで1つの会社で仕事をするという選択肢が稀になっていくことが予測されるなか、その人ならではの専門性、つまり、「ある特定のことに関して、どこでも通用できる状態でいること」が重要になってきます。そして、その専門性と人脈が仕事を通じて、さらに磨かれる好循環になっていくことが理想的です。
三菱総合研究所の2020年10月の発表によれば、2030年に専門職は162万人不足すると予測されています。
社内外の専門性の高い人材を結び付けて何かを成し遂げていくという将来像が見え隠れします。そして、「その人ならではの専門性」が「好きなこと」であれば、多方面から声がかかり、プロジェクトに参画していく。うれしく、ありがたい仕事になっていくはずです。
誰でも必ず1つは持っている強み
経済学者・社会学者として世界的に有名なピーター・ドラッカー氏の著書の中にこのような一節があります。「いまさら、自分を変えようとしてはならない。そんなのは、うまくいくわけがない。自分の得意とする仕事のやり方を向上させることに、力を入れるべきである。人の卓越性は、1つの分野、あるいはわずかの分野においてのみ、実現されるのである」。
ドラッガーによれば、1人が持っている「本当の強み」は、いくつもあるわけではなく、1つだそうです。天才でも2つだそうです。その強みが何なのかを把握して、その強みが発揮されやすい「1丁目1番地」の仕事をすることで、その人の存在意義が高まっていきます。
「自分自身の強みと何か?」を決めきるのは、多くの人にとってなかなか難しいものですよね。私自身もそれがなんとなく見えてきたのが、社会人になって10年ぐらい経ってからで、決めきるまでには、それからさらに5年くらいかかりました。
「強み」は「行動」の中に発揮されるものです。ですので、自分がしてきた「好きだったことや熱中できたこと」を振り返る際に、「何をしたか」ではなく、「どのようにやったか」にフォーカスするとよいと思います。
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