あんな上司に評価されたくない! ①人事評価の不満はやる気の低下に

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しかし、管理者の多くはプレーイング・マネジャー。部下の面倒をみようと思っても、時間の捻出も難しいものです。そこでどうするかが問題となってきます。

「さすが、課長」と言われる3つの技

では、部下がやる気を起こし、部下が上司をリスペクトするポイントは何でしょうか。次の3つをあげることができます。

① 職場の存在理由を熟考できている:上司が、その職場の存在理由を誰よりも深く考えている。それを基軸にして職場運営を行えば、部下が納得しやすい(ここで部下がナルホドと思わなければ、リーダーシップは発揮できない)。

② 求める成果を共有できている:上司は、部下の問題意識を活かしながら、職場が求める成果を正確に表現している。目指すべき状態が共有できれば、上司と部下、お互いの意思疎通がスムーズになる。

③ 得意技を持っている:上司は、何か1つ、部下が「さすが」と思う部分をつくること。実務の上で得意技があればベスト。それがなくても、接待がうまい、雰囲気の良い店を知っている、カラオケが得意、など余技と思えることでもかまわない。

「課長、さすが!」と言われればしめたもの。部下が上司に一目をおくようになってくれれば、人事評価への部下の納得感も高まるはずです。人事評価の不満解消にまず行う技はこの3つなのです。

評価の仕方で部下のやる気、職場の成果は変わるものです。評価者として管理職として知っておくべきことをわかりやすく解説した拙著『正しい目標管理の進め方』もご参照ください。拙著出版を記念してセミナーも行います。

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東京会場 2月19日(木)、3月16日(月)、4月13日(月)

大阪会場 2月23日(月)、4月15日(水)、7月14日(火)

イラスト:ふるはしひろみ

中嶋 哲夫 人事教育コンサルタント、MBO実践支援センター代表

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なかしま てつお / Nakashima Tetsuo

1948年生まれ。京都大学経済学部卒業。20年間の企業生活(鐘淵化学工業、現・カネカ)において、企業内ベンチャー、営業、人事の業務を体験。人事部門では、社員教育と人事企画を担当し、目標管理制度の運用に従事。仕事を通じて学ぶ目標管理に共鳴し、その考え方と実践ノウハウを現場管理者とともに開発。1991年に退社し、人事教育コンサルタント。産労総合研究所MBO実践研究所顧問を務めた後、MBO実践支援センターを設立。代表として良い職場づくりを目指す人事担当者と管理者を指導する。数多くの企業において、目標管理を活かした職場づくりを指導している。この間、大阪大学大学院国際公共政策研究科に進み、人事評価データや賃金データの統計解析を研究。2007年に博士(国際公共政策)。現在、大手前大学、大阪商業大学大学院にて非常勤講師を務める。著書に、『岐路に立ったら読む ライフマネジメント』(共著、中央経済社)、『目標管理ハンドブック』(共著、経営書院)、『人事の経済分析』『人事の統計分析』(ともに共編著、ミネルヴァ書房)など。

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