書かれていない筆者の真意を汲み取る国語訓練法 体験を結び付けて、文章を頭の中で映像化する

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以前、私の教室に小2の女の子が体験授業にきてくれた時のことです。お母様は教育熱心な方で、毎晩絵本の読み聞かせをされているとのことでした。それなのに、娘さんはいっこうに国語力が伸びてこないというのです。

そこで、私はこの娘さんにいくつか質問をしてみることにしました。

「わらしべ長者って昔話、知っている?」

「うん、読んでもらったことがある。」

「じゃあ、わらしべってなーんだ?」

「……。」

「長者はわかるかな?」

「うーん、わからない」

「あらそう。じゃあ、観音様はどう?」

「それも知らない」

この会話を横で聞いていたお母様は、目が点になっていました。それもそのはず。せっかく時間を費やして読み聞かせをしたのに、娘さんは、主人公の男が誰に願い事をし、その帰り道で何をつかみ、その結果どうなったのか、話の内容をさっぱりわかっていなかったのですから。

単語をリアルにイメージさせる

では、この娘さんにどのような指導をすれば、文章が正しく理解できるようになり、国語の成績が伸びてくるのか、ということですよね。

誰もが真っ先に思いつくのは、「語彙力を増やす」ということでしょう。英単語を覚えなくては「Hello」ひとつ読めないように、国語も、単語力なくして読める文章はありません。

スマホやゲーム機の普及によって、家庭内の会話が極端に少なくなった現代、子どもたちの語彙力は危機に瀕していますので、まずは絵本に出てくる言葉を教え、本が読める状態にしてあげることが大切です

ほとんどの親御さんは、自分のお子さんが「絵本を理解できている」と誤解しています。試しに、次のような単語がわかっているか、お子さんに聞いてみてください。

「嫁入り」「たんもの」「奥方さま」「うたげ」「かたき」、挙げればキリがないですが、絵本はお子さんたちにとって、未知の言葉であふれた読み物です。ですから、本を読ませる前に、語彙力を増強しなくては、読書の効果はないのも同然なんです。

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