大暴落に大慌て?「仮想通貨推しセレブたち」の今 リスク無視のイケイケトークに批判ブーメラン

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このほか、ミラ・クニス、アーロン・ロジャース、トム・ブレイディなど、有名な仮想通貨推しセレブ数人にもコメントを求めたが、返答はなかった(ブレイディとロジャースがツイッターで使っているプロフィール写真の目からは、今もレーザー光線が放たれている。ビットコインに強気な人々の間で広く使われているシンボルだ)。

仮想通貨取引所FTXのアンバサダーに今年就任したテニスのスター選手、大坂なおみの代理人からは電子メールで「大坂は残念ながら海外におり、コメントできない」という返答があった。

仮想通貨のCMを作った監督のコメント

FTXのスーパーボウルのコマーシャルで、コメディアンのラリー・デヴィッドは電球など歴史的な発明品を次々とけなした後、仮想通貨もこき下ろした。コマーシャルの最後に、視聴者にウインクするかのように表示されたメッセージは「ラリーみたいになるな」。

このコマーシャルで監督を務めたジェフ・シェイファーからは、仮想通貨市場の暴落について自身もデヴィッドもとくに言うことはない、とするコメントが電子メールで返ってきた。

「申し訳ないが、とくに有意義なコメントはできないと思う。私たちには(何度も説明してもらったのだが)仮想通貨の仕組みがさっぱりわからない。仮想通貨は保有していないし、市場の動向も追いかけていない。私たちはとにかく笑えるコマーシャル作りに取り組んだだけなんだ!」

仮想通貨の不安定さから浮かび上がるのは、著名人を起用したマーケティングが抱える根本的な問題だ。著名人が何かを勧めれば、それは記憶に残るかもしれない。

例えば、俳優ジョン・ハウスマンが出演した投資会社スミス・バーニーのコマーシャルは、数十年経った今でもマディソン・アベニュー(広告業界)では伝説として語り継がれている。しかし、著名人が勧めたからといって、その商品を試す価値そのものが上がるわけではない。

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