日本のみならず、世界全体で新型コロナウイルスの感染が拡大し、日本も第3波に見舞われている。
そんな状況の中で、経済の先行きに大きな懸念が出ている。これから冬に差し掛かって、感染者数はさらに爆発的に増える可能性もあり、仮にワクチンが実用化されたとしても、資産価値の目減りや悪性インフレ、金融市場の暴落などさまざまな影響が出てくることが予想される。
不動産市場、金融市場などの変化を把握しながら、今後の感染状況によって「コロナ後の世界」がどうなるのかを考えてみたい。
「コロナ」は資産バブルを生んだ?
コロナ後の世界を俯瞰するにあたって、重要なポイントがいくつかある。その1つが、世界中で広まったパンデミックが各国政府の金融緩和をもたらし、市中に大量のマネーがばらまかれたことだ。そのマネーによって、株式市場等に大量の資金が流入してバブルが起きている。
パンデミックによる経済の急激な落ち込みに対応するため、世界中の中央銀行が異例の金融緩和、ゼロ金利政策を実施。各国政府も緊急経済対策などを実施しており、世界中にキャッシュがばらまかれている。その影響を受けて株式市場や金市場、暗号資産(仮想通貨)などに大量のマネーが流れ込んでいる。コロナバブルと呼ばれるゆえんだが、とりわけアメリカのナスダック市場などは、異常ともいえる高値が続いている。
国際通貨基金(IMF)が発表した10月の世界経済見通しでは、2020年の実質GDPの予測をマイナス4.4%と発表している。最近になって、コロナ対策の追加が求められつつある状況になってきているが、コロナ対策の財政出動の規模はG20を中心に世界で約12兆ドル(約1250兆円)に達している。主なところでは、アメリカ3兆ドル(約313兆円)、日本1.7兆ドル(約177兆円)、ドイツ1.5兆ドル(約156兆円)。莫大な財政支出によって景気が悪化するのを防いできたといっていいだろう。
こうした世界的な金融緩和のマネーは、日本やアメリカ、欧州の株式市場などに流れ、株価は大きく上昇している。アメリカのニューヨークダウ平均株価は、11月24日の終値でも初めて3万ドルの大台に乗り、日本でも日経平均株価が2万6000円台を回復。バブル崩壊以後の最高値を更新し続けている。
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