トヨタ自動車をはじめとする自動車各社も、コロナの感染者数減少に伴い、社会活動が回復して一時期はかなり悪化するとみていた業績予想を上方修正している。しかし、中期長期的に考えるとエンジン車から電気自動車へのシフトは不可欠とみられており、コロナによって世界中の価値観が一変したと考える必要があるだろう。
例えば、時代の変化をまとめると次のようなものが考えられる。こうした変化に基づいて、コロナ後の新しい世界が誕生していくと考えればいいのかもしれない。
コロナ後に起きうるさまざまな変化
新しい時代への変革を可能にするのがデジタル化技術の向上だ。リモートワークのためのテレビ会議システム、出張や観光に代わるバーチャルシステムの技術向上などなど、技術革新が世界を変える。
「出張」のニーズが激減してそのまま回復しない可能性も出てきた。会議はもちろん、視察や観光といった直接出向いて何かをする行動の意味が薄まる世の中になる可能性がある。
ビジネスを展開するためには、これまでは銀行や株式市場などで多額の資金を集めて大掛かりな投資をする必要があった。しかし、コロナ禍によるデジタル化の推進は、誰でも家庭で、個人が新しいシステムを格安な料金で提供するだけでビジネスを展開できる時代になってきている。資本を持つ人間が必ず勝つ、という構図が揺らぎ始めている。既存のビジネスの勝者が今後も勝ち続けていけるわけではないということだ。
新型コロナウイルスの蔓延が、気候変動と密接な関係があることはよく知られている。気候変動対策が、世界各国の課題となり、気候変動対策という大きな流れを無視したビジネスは衰退する、と考えたほうがいい。車でいえば、先進各国が相次いでガソリン車の禁止を打ち出し、自動車を含めた化石燃料重視の政策を転換し再生エネルギー重視の政策に転換しつつある。さらに、食糧不足への対応や自給自足できる社会への転換が進む。
コロナ禍によってかつて経験したことのない経済的な損失=景気後退を世界は受けている。コロナバブルがあったとしても、いずれ株価は適正な水準に戻り、不動産価格も下落する可能性が高い。資産価値がそのときの経済を適正に反映しているかどうかを検証する時期が必ずやってくる。
金やビットコインといった景気とはあまり連動しない資産が上昇しているのも、その変化へのリスクヘッジといえる。コロナ後の世界は、まだ始まってもいない。リスク回避のための方法はまだ世界中が模索中だ。
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