シンクレア教授「若返りと長寿」を語る 生命最古の分子が特効薬に

✎ 1〜 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
デビッド・シンクレア(David Sinclair)●ハーバード大学医学部教授。長寿や若返り研究の第一人者として知られ、2014年にはTIME誌の「最も影響力のある100人」に選出された(写真:NHK)
 私たち人間の寿命は、1日あたり5時間も伸び続けているという。できるだけ若く、そして健康に長生きすることは人々が等しく持つ夢だが、それを実現してしまうかもしれない研究が発表された――。NHKスペシャル「ネクストワールド 私たちの未来」(NHK総合)の第2回に登場した、若返りと長寿研究の第一人者、デビッド・シンクレア氏へのインタビューをお届けする(第5回「人間のフロンティアはどこまで広がるのか」は2月8日放送予定)。

 

若返りの特効薬、「NMN」

今、私は「若返りの薬」の研究・開発をしています。

2年前、研究室で、人間でいえば60歳に当たる生後22カ月のマウスに、「NMN」という物質を投与しました。すると1週間後に、生後6カ月のマウスに相当する筋肉になっていたのです。これは、人間で言えば20歳にあたります。つまり、たった1週間という短期間で、実に40歳の若返りを果たしたのです。実際に、マウスがカゴの中で活発に動いているのが観察されています。しかも、実験の時はマウスに注射で投与したのですが、あとで餌に混ぜても同じ効果があると判明しました。現在は皮膚や脳についても同様の効果があるか、研究を始めています。

NMNにはまだ否定的な面は発見されていません。それどころか、眼の疾患や難聴、肝臓や心臓を守る作用があるとわかっています。また、肝臓がんにかかったマウスたちに投与したところ、腫瘍が消えたこともありました。

番組のウェブサイトはこちら

まるで万能薬のようですが、世界中の研究室が確認している事実なのです。現代の医学は一つひとつの疾患に狙いを定めて治療しますが、NMNは老化によって衰えた体全体にエネルギーそのものを与えて、「虚弱」を治すわけです。

私たちは、これを人間にも応用したいと思っています。

次ページNMNとは一体なんなのか?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事