創造的であれば、常にフロンティアはある

レイ・カーツワイル氏が語る未来社会

第4回「人生はどこまで楽しくなるのか」より。遠隔地の情報を、ロボットを通して受け取る技術「テレイグジスタンス」が「どこでもドア」を実現する。(写真:NHK)
 科学やテクノロジーの進展により、人工知能が人間の知能を上回るのが今から30年後の2045年といわれている。そのとき、私たちの生活はどう変わるのだろうか――。NHKスペシャル「ネクストワールド 私たちの未来」(第3回1月24日、第4回1月25日、第5回2月8日放送予定)に出演する、未来学者のレイ・カーツワイル氏に語っていただいた。未来における人間の幸せの形とは、いったい何なのだろうか。

技術を要求する新たな仕事が生み出される

産業革命は18世紀から19世紀にかけてイギリスの織物産業を中心に始まりました。19世紀初頭、労働者たちは機械化・自動化により仕事を失うと「ラッダイト運動」を起こし、機械を破壊する行動に出ました。しかし、結果的に仕事はなくなりませんでした。それはなぜか。新たな仕事が創成されたからです。

技術の進歩によって、誰もが仕事がなくなると言います。しかし人口に対する割合という点から見れば、私たちには多数の仕事があります。100年前には労働する資格を満たした人の3分の1だけしか働いていませんでしたが、現代ではそれが3分の2となり、新たな仕事には10倍もの報酬を支払っているのです。

私たちは、技術で成り立っているピラミッドの頂上部分に次から次へと新たな仕事を作り、その分、最下層の仕事を破壊していきます。技術のピラミッドはつねに上へ上へと上っていくので、仕事がなくなることはないのです。

1870年、アメリカには5万人の大学生がいました。しかし今日では1200万人を越えています。私たちは進化する教育の力によっても、技術のピラミッドを高めているといえます。

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