土地が狭く、込み合っているという人もいます。しかし、込み合っているのは都市部だけです。日本、アメリカ、ヨーロッパ各国を列車で旅行すれば、ほとんどの土地が使われていないことがわかるでしょう。人類は、お互いが親密になって一緒に働けるよう、「コミュニケーション技術としての都市」を発明しました。しかし、バーチャルリアリティの空間で一緒にいることができるようになると、人々は物理的に近くで生活する必要がなくなります。
豊かな空間、エネルギー、水、食料は、21世紀の技術を用いることで容易に手に入るようになるでしょう。
自分の脳をクラウドに直結する未来
「マインドアップロード」というコンセプトがあります。これは、脳のシナプスをコンピュータ上に再現し、バーチャルリアリティとして永遠の生命を実現することと定義されています。しかし、私の見解は、生物学的な脳をコンピュータに注ぐということではありません。最初の段階はコンピュータとの融合で、それを体内と脳内に入れることです。
それだけではなく、ワイヤレスでクラウドと意思伝達することが重要です。2030年、自分の脳から、ワイヤレスでクラウド内にあるより多くの知能にアクセスすることができるようになります。
「私」というものが「生物学的思考」と「非生物学的思考」の組み合わせになるのです。生物学的思考は固定していますが、非生物学的思考はバックアップを取られ、指数関数的に成長します。これが「加速リターンの法則」です。
2040年になると、人間の思考はすべて非生物学的思考になり、コンピュータ化されます。最後には非生物的思考が生物学的思考を完全に理解し、そのコピーができるようになるでしょう。つまり最初はコンピュータとの融合、次に知能のコンピュータ部分のバックアップ、そして最後には、コンピュータが私たちの知能のすべてになるということです。このとき、バックアップを取っておけば肉体的に損傷を受けても「自分」を再び作りだすことが可能です。
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