10歳から仕事して進学「パックン」語る日本の入試 新聞配達と学業を両立させハーバード大に合格

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──2022年の東大入試では、一般入試の合格者のうち女性は19.8%でした。しかし高校の成績が考慮される学校推薦型選抜の合格者も含めると20.8%で、2割を超えました。

日本も総合的な審査の入試を増やすべきです。エッセー、面接を課しているオックスフォード大、スタンフォード大、ハーバード大など海外のトップ大は女性比率が5割前後なのに対し、東大の女性比率は2割程度です。

就職の際には、企業はその人の生き方や背景、総合的なスキルを見て採用します。大学もそのような入試の仕方をすればいいのではないでしょうか。もちろん基準は大学によって違っていい。

東京大学憲章には「市民的エリート」という言葉が使われていますね。市民的エリートは、試験でいい点数が取れる人だけを指すわけではないはずです。ダイバーシティーを重視しても、優秀な人は集まりますよ。

同じような人が集まっても刺激が少ない

──学生の多様性に配慮しているのもアメリカの大学の特徴といわれます。

ハーバード大は、頭のいい人が集まる都市部の学生ばかりではなく、多様な州の学生を意図的に入れています。さまざまな学生同士の議論による刺激が、ノーベル賞受賞者の講義よりもいい学びのきっかけになると考えているのです。同じような階層、人種の人が集まっても刺激が少ないと思いませんか?

しかし今、ハーバード大は逆境に置かれています。アジア系の学生が、試験で白人学生よりいいスコアを取ったのに合格できなかったと訴訟を起こし、裁判が続いています。アメリカ在住者のうちアジア系は5.7%。ハーバードの在学生のうちアジア系は13.7%と多いのですが、アジア系の入学者数を不当に制限していると訴えているのです。

──日本では昨年、一部の都立高校で、女子のほうが男子よりも合格最低点が高くなっていることが問題になりました。男女の定員を1対1に固定していることで不公平が起きていると指摘されました。

クオータ制は差別を受けている社会的弱者を助けるためにあるものです。割合を固定することで男子が助けられているのであれば、本来の目的に反することだと思います。女子のほうが高校でいい成績を取っているのに入れないということが、日本の大学でも起きているのではないかと思います。

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