10歳から仕事して進学「パックン」語る日本の入試 新聞配達と学業を両立させハーバード大に合格
日本の入試制度が見落としていること
──ハーバード大やスタンフォード大などの海外大の男女比率がほぼ5対5なのに対して、東大の男女比率は8対2という状況が続いています。
昨年、女子学生が少ない東大の工学部に「女子枠」を設けるべきかどうかを論じた記事について、次のようにコメントしていますが、その意図を教えてください。
2018年のニューサウスウェールズ大(オーストラリア)の研究では、「女性は男性よりも6.3%成績がいい」と分析されています。さらに、STEM科目(科学、技術、工学、数学)において、クラスの上位10%は男性と女性が半々になるとも考えられています。つまり、学校の成績では、理系の科目であっても男女に差はないのです。
大学生が論文を書くためには、知識だけでなく、ディスカッションを通じて自分の意見を練ることが必要です。これは普段から真面目に学習を続ける態勢が整っている、学校の成績がいい学生こそそれができそうでしょう。筆記試験の点数を重視する日本の入試制度は、そこを見落としているのではないかなと思います。
アメリカの大学入試では筆記試験だけでなくエッセー(小論文)が課されます。書くだけではありません。卒業論文を提出した後は、先生からの内容に関する指摘に対してその場で応答する「ディフェンス」をしなくてはならない。これは社会でも必要とされる能力です。