大企業→中小のミドル転職が成功しない本当の訳 経験豊富なベテランが転職市場を賑わせるが…
前述した拙著『新時代の営業「変わること」「変わらないこと」を1冊にまとめてみた』の「変わらないことランキング」7位には、『マネジメントの基本』が入った。
どんなにテクノロジーが進化したとしても、マネジメントの基本がわかっていなければ成果を出すことなどできない。
プロ野球の監督として語り継がれる名将は、広岡達朗、野村克也、星野仙一など、当時は弱小だった球団をリーグ優勝、日本一に導いた方たちだ。
恵まれた環境でなら結果を出せるが、そうでないならムリ――という方は、それだけ実力がないのである。
「ミドル転職」でうまくいくのは……
「ミドル転職」でうまくいくのは、現時点においてエンジニアが大半だろう。それも特殊な技能を持つエンジニアたちだ。
マネジメント業務に携わってきたミドル層はどうだろうか。普通、中高年になれば現場を離れ、組織マネジメントを任される。しかし皮肉なもので、テクノロジーの進化によって、どのメンバーが、いつ、何を、どのように行動すればいいのかは情報システムがナビゲートしてくれるようになった。
しかし中小企業に転職すれば、ほとんどのケースで、そんなデジタルの恩恵は得られない。自分でレシピを考え、食材を仕入れ、ゼロから調理しなければならない。セントラルキッチンが完備したファミリーレストランで料理人をしていたような大企業のマネジャーたちが、本当にそのような「腕前」があるのか、事前に試したほうがいいだろう。
意外と中小企業で実績を出したマネジャーのほうが、力があるものだから。
最後に、もし優秀な大企業のマネジャーを採用したいのなら、次の2つの指標をチェックしてもらいたい。
②「部下との対話回数」
「①総会議出席時間」が長い人は、採用しないほうがいいだろう。いっぽう「②部下との対話回数」が多い人はいいかもしれない。
つまり、部下と個別真剣に向き合った回数で測るのだ(時間ではなく回数)。前述した「KSF(重要成功要因)」は、現場をよく知っている部下との対話の中で仮説を作っていくべきこと。
部下との関係維持のためにも、個別の対話回数は重要な指標だ。
いっぽうマネジメントをデジタルに頼り、会議漬けで、部下との個別コミュニケーション量が少ないマネジャーは期待しないほうがいい。どんなに有名な大企業出身であろうと、どんなに高い実績を出していようと、だ。
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