ウクライナ支援にポーランドが全力を尽くす理由 侵略された歴史を共有、日本とも強い絆

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侵攻開始直後の2022年3月12日には、ウクライナ人の救済に関する法律を制定し、国を挙げて避難者への幅広いサポートが可能となった。同法によってウクライナ人はポーランド域内で、少なくとも18カ月の滞在が可能となり、PESELと呼ばれるポーランド国民識別番号の取得もできるようになった。これにより、公的医療を無料で利用でき、教育が受けられ、労働することも可能となって、給付金を受給することもできるようになった。

また、ウクライナとの国境に41の避難者受け入れポイントを設置し、命からがら避難して疲れ切った人々を温かく迎え入れている。温かい食事と応急医療処置、休憩場所の提供のほか、今後の支援に関する情報を入手できるようにした。鉄道駅や都市間バス駅の近くの148カ所にサポート案内所が設けられ、避難者がポーランドだけでなく、さらに次の国への移動についても支援を行っている。

ポーランド大使館によれば、政府や地方自治体では3373の簡易宿泊所を設置しこれまで23万人が利用しているが、多くの避難者は自発的に避難者支援に立ち上がった一般のサポーターらの自宅で過ごしているという。筆者は避難者支援でもっとも大切なことは何なのか、支え合うとはどういうことなのかを、改めて考えずにはいられなかった。また、ポーランドの人々の温かさを、ここでも心底感じたのだった。

大国から侵略された歴史を共有

そもそもポーランドがここまでウクライナを支援するのはなぜなのか。

ポーランド大使館は、ウクライナとは近隣の大国から侵略された歴史を共有しているため、痛みや苦しみをよく理解できると説明する。ポーランドには、ドイツとソ連によって国が分断されてしまった1939年の頃の記憶を持つ人々が存命中だ。第2次世界大戦後も、ソ連の傀儡(かいらい)として存続するしかなかった。海外に亡命していたポーランド知識人の間で、ポーランドの東のベラルーシとウクライナで自由と国民の安全が保障された時にのみ、ポーランドが国としての再建と主権が確立されるとの確信が生まれたという。いわゆる、今日まで続くポーランドの「東方政策」がこの頃に確立されたのだ。

そしてポーランド人とウクライナ人が文化・社会的に強い絆で結ばれていることも重要で、言語や食事、その他の部分でもよく似ているという。ロシアによる侵攻以前、ポーランドでは、すでに100万人のウクライナ人が住んでおり、共に社会を形成していたのだ。ポーランドの人々にとって、ウクライナの危機は、まさに他人事ではなかったのだ。

では、ポーランドにおける今後の支援における問題と解決策、そして日本をはじめ国際社会に何を期待し、求めていきたいのか。ポーランド大使館は、次のように述べた。

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