ウクライナ支援にポーランドが全力を尽くす理由 侵略された歴史を共有、日本とも強い絆

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ロシア軍による侵攻を逃れ、ウクライナから国境を越えてポーランドに入国するウクライナ人たち(写真・Bloomberg Finance LP)
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、ロシアによるウクライナ侵攻で、2月24日から4月28日までの間に、2899人のウクライナ市民が死亡、うち210人が子どもだったと発表した。けが人も1754人に達し、被害者は現在も増え続けている。そのような中、避難者への人道支援では、ウクライナの隣国であるポーランドが中心的な役割を担っている。
ポーランドの支援の裏には、国際政治面を考慮したことに加え、歴史的に弱者に寄り添い支えようとする精神が社会の隅々にまで浸透していることが根底にある。情勢が日々変化し、支援も困難を極めるウクライナ情勢について、駐日ポーランド大使館と日本のウクライナ支援の最前線に立つ社会福祉法人福田会に話を聞いた。

 

1日1000トンの支援物資が必要

駐日ポーランド大使館によれば2022年4月15日現在、ウクライナからの避難者は270万人に達している。侵攻直後は1日当たり10万人、今は同2万人が入国しているそうだ。ウクライナでは18歳から60歳の男子には動員令が発令されているため出国できず、避難者の9割以上が女性と子どもが占めており、首都ワルシャワでは、住民の17%がウクライナ人となっている。ウクライナでは1日当たり1000トンの支援物資が必要とされ、大部分がポーランドから送られている。ポーランドの役割がいかに重要かがわかる。

ロシアによる侵攻当初から、ポーランドはウクライナに対し強力な政治的サポートを行ってきた。ウクライナのEU加盟とともに、西側諸国との連携強化で常に中心的な役割を果たしてきたのだ。ロシアによる攻撃が首都キーウ(キエフ)に迫る中、EUの外交使節の中で唯一退避しなかったのがポーランド大使だった。

その後、ウクライナ支持で象徴的な事件が起きる。2022年3月15日、ポーランドのモラヴィエツキ首相とチェコのフィアラ首相、スロベニアのヤンシェ首相の3人がキーウを訪れ支持と支援を表明した。ロシアの攻撃が続く中での首脳訪問に、世界が驚いたのは言うまでもない。ちなみに、他のEUの首脳がキーウを訪問したのは、ロシア軍がキーウ近郊から撤退した数週間後だった。ポーランドの覚悟がどれほどのものだったのかわかるだろう。

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