また、直樹さんの部屋の窓からは海が見えるのですが、網戸が半開きになっていたため、網戸の縁で美しい風景を邪魔されたことも不快だったと言います。
さらに、直樹さんがミナミさんのご両親に挨拶に行った時のお母さんの様子も気にかかりました。お母さんが、ミナミさんが巣立つことに強い不安を感じていたように見えたのだそうです。
私は「直樹さんとの結婚を選んで家を出るのか、子どもの頃から使っている学習机のあるあの部屋でずっと暮らし続けるのか、どちらか覚悟を決めなければ」と促しました。ミナミさんが「家を出るんだ。自立するんだ」と決意を固めるまでには、しばらく葛藤がありました。
「心配性のミナミさんと僕は正反対」
葛藤する一方で、直樹さんとの関係は深まっていきました。ミナミさんの実家に挨拶に来たときには、ミナミさんが、コインパーキングが埋まらないようずっと見張っていたそうで、「あと何分?」「今どこ?」と電話でやりとり。
直樹さんは「ずっと立って待っていてくれてありがとう」と彼女の気遣いに感謝し、2人とも「成婚に向かっているんだ」という実感を得たようです。直樹さんの実家では、ミナミさんは直樹さんのご両親にとても気に入られたそうです。
デートの回数は合計15回にも及びました。初めの数回で2人ともすでに結婚に傾いていましたから、その後の十数回は、ミナミさんの迷いと葛藤に費やしたようなものです。最終的には、直樹さん側の結婚相談所からのサポートも得た全力戦となり、3月、無事にエンゲージリングをいただきました。
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