人が死ねば星になり、星が死んで人になるの真理 人や社会や自然と交わりあいながら輪廻している

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先生はこうも付け足しました。

「考えるに、これは現代天文学のひとつの大きな結論だろうと思います」

まどさんが、つまようじに見たのは何だったのでしょう?

富田先生の言う「星が死んだら人になる」ってどういうことなのでしょう?

もう一度、宇宙の歴史をふりかえりながら見ていきましょう。

宇宙には始まりがあって、それは今から138億年前のことだということがわかってき
ました。

生まれたばかりの宇宙は、薄いガスがあるだけの暗い世界でした。

ガスはほとんどが水素で、あとはヘリウムと、ほんの少しのリチウム。

ガスには、少し濃いところと薄いところがあって、濃いところにはさらにガスが集まり、やがて最初の星が生まれます。

星の中心で核融合が始まると、星は一人前の星として輝きます。

跡形もなく消えたわけではなかった

こうして暗かった宇宙に光が灯りました。

最初の星は短命で、あっという間に大爆発して宇宙に消えてしまいました。

でも、跡形もなく消えたわけではなかったのです。

星は輝くあいだに、宇宙のはじめにはなかった炭素や酸素や、それより重い元素をその中で生み出していました。大爆発のとき、星は自分の姿かたちと引き換えに、包み込んでいた重い元素を宇宙空間に残して消えていったのです。

残された星の粉たちは、単純なガスだけだった暗い宇宙をバラエティ豊かな世界に変え始めました。

それらは宇宙空間を長い時間ただよいながら水素やヘリウムと混ざり合って、次の世代の星として生まれ変わります。今度は重い元素を少し含んだ星です。

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