CM「i'm lovin' it」に英語教師が困る興味深い訳 中学英語で学ぶ「現在進行形」の本当の意味
文法書には「現在進行形は近い未来の予定を表すことができる」と書いてありますが、「近い未来」がどれくらいなのかハッキリしないので正しく使える人はあまりいません。
しかしこれも進行形の核心である途中から考えれば解決します。「~している途中」→「(途中なので)すでに何かしら手をつけている」ときに使えるのです。
結婚自体は来月のことであっても、家族への紹介や式場やドレスを決めるなど結婚の途中と言えるのです。このように何かしら着手して“ 進行している”ときに進行形で予定を表せるわけです。
※高校生のカップルがどんなに真剣でも進行形は使えません(式場の予約はしていないでしょう)。
言ってみればスケジュールとして書き込む予定に進行形を使います。これが「近い未来」という言葉の正体です。1年先でも(結婚式なら)進行形が使えますし、たとえ明日でも(何も着手していなければ)進行形は使えません。ちなみにこの進行形の用法は、映画のCM で見かける“Coming soon!”「近日公開!」で使われています。
※これは決まり文句で、主語+be 動詞が省略されていますが、本当は進行形be comingで、「この映画は制作途中で、近いうちに世の中に出てくる(come)予定」ということです。
この「予定」の用法は、昔から「往来・発着の動詞で使われる」と説明されることがあるのですが(He arrived in Miyazaki last Wednesday, and he is leaving tomorrow.「彼は先週の水曜日に宮崎入りし、明日出発の予定だ」)、実際にはそれ以外の動詞でもよく使われます。
I am hosting a dinner party tomorrow evening.
明日の夜、ホームパーティー(夕食会)を開くんだ。 ※host「主催する」
公的なスケジュールに現在形、私的なら進行形?
これに関しては「公的なスケジュールには現在形を、私的なスケジュールには進行形を使う」と説明されることもありますが、「その理由」を理解しないと、使っても実感がわきませんよね。
みなさんは以下のように整理できるはずです。
現在形:現在・過去・未来形 → 確定した未来(公的なスケジュールが多い)
進行形:何かしら進行・着手している予定 → 近い未来(私的なスケジュールが多い)
The train arrives at eight.「その電車は8時に着きます」は昨日も今日も明日も繰り返されるので、現在形が使われます。これを「公的」と捉えるだけです。
さらにこの発想の延長で、単発であっても確実に起きる動作(現在・過去・未来に繰り返される行為と並ぶほど確実な行為)に現在形が使われることもあります。
一方、進行形は「途中→予定」という発想なので、1回きりの「私的なスケジュール」に使われることが多いというだけなんです。
3日目:日本人が悩む「現在完了形」完璧理解の大胆なコツ
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1日目:「What do you do?」の答えを間違う人の盲点
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