「上司ガチャに外れた」と嘆く前にやるべきこと 上司との関係性をより良くするためのポイント

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ここで重要なのは、自分のやりたいことを明確に‟言語化”しておくことです。私が支援してきたなかでも、言語化がうまくいくことで自分のやりたいことがより明確になり、上司の理解が進んで異動につながった方を多く見てきました。

ただ「マーケティング部に異動したい」という‟手段”だけを伝えるのではなく、しっかりとそのキャリアへの ‟目的”と理由付けを語れるようにしなくてはなりません。ひと口にマーケティングといっても領域が広いので、ジャンルは「リアル」か「WEB」か、「戦略」か「運用」かなど、より具体的に説明できなくては理解してもらえません。

さらに、なぜ異動したいのかを詳細に伝えることで、上司もより的確にアドバイスできるようになります。たとえば、「自分は、大学生の時に●●を経験した原体験があり、将来●●を拡げることによって社会に少しでも役立つことに興味を持っており、●●のための勉強もしている。機会があれば●●事業部でWEBマーケティングの分析業務をやりたいと思っており、自分の●●の強みも活かせるので組織にも貢献できると考えています」と言われれば、上司も、あなたがいかに本気で考えていて、あなたが異動することでより会社に貢献してくれるかイメージが湧き、そのためにはどんな勉強をしていけばいいのかを、また、「組織への貢献」の視点を入れているのもポイントです。この視点があるだけで、あなたが自分勝手ではなく1つ上の視座で組織を捉えているということが伝わり、評価を高めることでしょう。より詳しくアドバイスできるようになります。

そして、伝えることを継続するのも大切です。一度上司に伝えただけでは、きちんと理解してくれないかもしれないし、本気度が伝わらないかもしれません。くり返し伝えることで、あなたが真剣に考えていることが伝わっていきます。

上司ガチャに嘆くのは不毛

多くのキャリア論で「自分の強みを活かせ」と説かれますが、自分には活かせる環境がないと嘆く人も多いでしょう。

私は、環境を変えることもキャリアを築くことにつながると考えています。大きな会社で働いていれば、いち社員のわがままで異動の仕組みを変えることなんてできないとあきらめてしまっている人がほとんどかもしれません。

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でも、自分の強みも弱みもしっかりと把握していれば(アイデンティティーを確立していれば)、次は環境に合わせる、あるいは環境を合わせる(アダプタビリティを発揮する)ことでキャリアが築かれていくのです。

「どうせ変わらないんでしょ」と上司と組織のせいにしていてはキャリアは拓けません。何もしないでいることは、自分のキャリアを組織(会社)にゆだねていることになります。キャリアの舵を自分で握れていれば、自分の強みを活かす環境をボスマネジメントで創り出し、自分の最大のパフォーマンスを発揮するために行動を起こせるはずです。自らのキャリアは、自らまわりに働きかけて創り出すものなのです。

有山 徹 一般社団法人プロティアン・キャリア協会代表理事

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ありやま とおる / Toru Ariyama

4designs株式会社founder、代表取締役CEO。1977年、東京都日野市出身。早稲田大学卒業。大手食品メーカー、経営コンサルティングを経て、2019年、数度のキャリアチェンジをした自らの経験を生かし、キャリア支援サービスを行う4designs株式会社を設立。同年、法政大学の田中研之輔教授とともにプロティアン・キャリア協会を設立、代表理事に就任する。
個人向け「プロティアン・キャリア戦略塾」、法人向け「プロティアン化組織変革サービス」を提供し、大手企業へのサービス導入実績も多数。

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