保育内容の基準を示した「保育所保育指針」には、それぞれの子どもの発達や個性に応じて排泄も含む生活習慣を無理なく身につけていけるよう、保育者が適切にかかわることを求めています。
集団生活であっても、やり方次第で一人ひとりの気持ちを尊重する保育はできるはずです。「不適切保育」は、保育者の資質もしくは園の体制が不十分である場合に表れやすいといえます。
乳幼児だからこそ気をつけてあげたい
乳幼児期は「人格形成期」と言われますが、子どもは親や保育者などの身近な存在に認めてもらったり共感しあったりすることで、自分をかけがえのない存在、大切な存在と感じることができるようになります。保育では、そんな発達上の特性も配慮しながら、子どもの人格を尊重する保育を行うことが求められます。
乳幼児はつらかったり嫌だったりしても、それを大人にうまく伝えることができません。それに、園での保育者は子どもにとって大きな存在なので、保育者の反応は子どもの心に大きな影響を与えます。
保育者は専門職なので、そんなことは理解しているはずなのですが、現場の余裕のなさや自身の勉強不足から、無自覚のまま、子どもに対して不適切な対応をしてしまう場合があります。
そんなときは、施設長や保育者のチームが自分たちで気づいて保育を正してもらわなくてはなりませんが、保護者も疑問に思ったことがあれば、保育者や施設長に伝えて、保育の考え方を確認することも必要です。
では、どんなことが「不適切保育」に当たるのでしょう。
全国保育士会がまとめた「保育所・認定こども園における人権擁護のためのチェックリスト」は、不適切と考えられる保育者のかかわりを次の5つのカテゴリーに分けて掲げています。
②物事を強要するようなかかわり・脅迫的な言葉がけ
③罰を与える・乱暴なかかわり
④一人ひとりの子どもの育ちや家庭環境を考慮しないかかわり
⑤差別的なかかわり
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