読み聞かせしてるから「国語は大丈夫」の大誤解 小1の勉強は「漢字・計算」だけでいいと言える訳

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小1のわが子の勉強に対する不安……最も大事なのは「漢字」「計算」の基礎(写真:Ushico/PIXTA)
小学校に入学した子どもの成長を喜びながらも、「勉強についていけるだろうか……」と心配になる親も多いはず。わが子が“小1の壁”にぶつかってしまったとき、親たちはどうサポートをしていくべきなのでしょうか。『小1の不安「これだけ!」やれば大丈夫です』の著者であり、「百ます計算」など子どもの基礎学力の向上に取り組む隂山英男さんにお聞きしました。本稿は同書を一部を抜粋し、再編集しています。

すべての学びの基礎は「漢字」

──小1の勉強ってまずはなにから始めるべきでしょうか? 国語はひとまず読み聞かせもしてるし、大丈夫かも……

隂山英男先生(以下、隂山): 今は文字の入力はコンピューターやスマホでできるし、本は読み聞かせしているし……と、漢字の書き取りはあと回しにしがちですが、大反対です。小学1年生の国語で最も大事なのは「漢字」の読み書きです。本当に漢字だけなんです!

「国語は読解力が大事なんじゃないの?」「文章を読むうちに勝手に漢字を覚えるんじゃないの?」という声が聞こえてきそうです。たしかに読解力は大事です。しかし、小学生の場合、文章を読み取れない理由は漢字を読めていないからなのです!

小学生に文章を音読させてみれば、すぐにわかります。スムーズに読めない部分はだいたい漢字です。つまり、国語を勉強するうえで最初に障害になるのが漢字なのです。だから、漢字だけはしっかりとやっておく。小1で習う漢字は80程度ですが、そもそも、小学校1年から6年までに習う漢字を全部合わせても1000字くらいです。漢字も予習中心でガツガツ覚えていきましょう。

では、どうやって漢字を覚えるか? 漢字を覚えるコツは短期集中です。学年で習う範囲を一気に終わらせてしまいましょう。小学1年生で覚えるべき漢字をとりあえず終わらせる。忘れてもいいのでとりあえず一通り終わらせるのが大事です。

そして定期的に、覚えた漢字を反復練習します。徹底反復です。小1なら1学期で全部の漢字を覚える。もし入学前からはじめられたら、ゴールデンウィーク明けごろまでに全部覚え、その後は繰り返し復習する。

3学期は2年生の漢字を予習する。これくらいのスピード感で覚えます。小学2年生の始業式のときには、すでに2年生の範囲の漢字が終わっている状態にします。そうしたら、読解問題にじっくり取り組めるようになります。漢字を早め早めにやっておけば、結果的に読解に時間を使えるんですね。だから国語は漢字が大事なんです。

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