読解力ない子の原因は「漢字」その効率的学習法 小学4年生以上の定着率は全国平均で7割以下

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小学校の漢字を効率よく学ぶ方法を解説します(写真:マハロ/PIXTA)
漢字を読めない子は、国語だけでなく、ほかの教科の理解にも支障が出る可能性があります。ところが、新中学生になっても、「基本的な漢字すら読めない」「習っているはずの漢字を書けない」「書けても、微妙におかしい」「同じ音のまったく違う字を書いてしまう」といった子もいるようです。
そうした子に、漢字を効率よく身につけてもらうにはどうすればよいのでしょうか。その方法について、「百ます計算」で知られる隂山英男氏が監修した『小学校の漢字の総復習が7日間でできる本』を一部抜粋・再構成して、お届けします。
前回:「1aは何㎡?」算数苦手な子に今させたい復習術

漢字力が弱いために教科書が読めない

教室で子どもたちを指導していると、漢字の学習は、国語の一分野の学習ではなく、日本語の意味理解の中核であることを強く感じます。

日本語の文章は、重要な内容が漢字を使った熟語で表され、それらがひらがなでつながれて意味を形成していきます。英語における単語と同じく、漢字や熟語などの意味がわからなければ、文章の構造がわかっていても、内容の理解はおぼつかないものになってしまうのです。

しかし、最も問題なのは、漢字が重要であるにもかかわらず、学校教育においてその重要性が十分に理解されているとは思えないことです。その証拠に、小学生の漢字の定着率を見てみましょう。1年生や2年生は9割以上定着していますが、3年生では早くも8割を切り、4年生以上では7割以下、というのが全国的な平均です。

「教科書が読めない」という問題が近年提起されていますが、小学校の高学年以上においてはその漢字力の弱さのために、「読解ができない」ということが日常化しているのです。

では、漢字力をどのように習得すればいいでしょうか。まず、網羅的な教材で、漢字を書けるかどうか一気にチェックをし、書けない字をピックアップします。前述の定着率を考慮に入れると、平均で少なくとも全体の6割は覚えているわけですから、覚えていない4割を覚えられるよう絞ればいいのです。

ところが、通常の漢字学習では、覚えている字と覚えていない字を区別せずに学習したり、一緒に覚えようとしたりしています。それでは、学習効率が大きく下がってしまいます。

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