読解力ない子の原因は「漢字」その効率的学習法 小学4年生以上の定着率は全国平均で7割以下

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次のような「地図を見て、位置と形から都道府県を見分ける」出題は、社会科のテストでよく出されます。

(画像提供:KADOKAWA)

「書けるだけでは解けない」出題は、差がつきやすいです。「解けるけど書けない」と、もったいない失点につながります((2)に「とち木県」と書いても、減点されてしまうかもしれません)。

社会科の知識は、難しい漢字なども使われながら、社会科独特の問われ方をします。漢字学習をしっかりとしておくことが、社会科学習全体の理解を促すことにつながっていきます。

ここで取り上げた「社会科を踏まえた漢字学習」は、「読める」「書ける」以上の応用レベルなので、小学校の漢字の復習を始めた段階では、無理に学習しなくても問題ありません。いずれは必要になる知識なので、余裕があるときに学習を進めていただければと思います。

文章の読み取りは言葉の意味を理解することが重要

ここまで漢字の学習について、説明してきました。次は、国語全般について述べましょう。

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国語において、小学生のうちにやっておくべきことは、学校で習うレベルの漢字の読み書きです。それができるようになっておかないと、中学校では「教科書が読めない」事態になってしまいます。これは先にも述べました。「教科書が読めない」事態の一例として、中学校で扱う「心情理解」に太刀打ちできないことが挙げられます。

国語の文章の読み取りで最も大切なのは、1つひとつの言葉の意味を適切に理解することです。漢字が読めないと、言葉の意味を理解できません。

中学校で扱う文章は、小学校で扱う文章よりも難しいです。心情の変化は、文章をしっかり読み取れないと、理解できないものです。もし、数カ所でも「漢字が読めない」と、読解のカギとなる箇所が読み取れなくなってしまうでしょう。だからこそ、小学校で習う漢字をまず確実に読み書きできることが必要なのです。

私のこれまでの指導経験から、小学校で悩んだところこそが、中学校の学習の重要なポイントにつながると考えております。小学校での「難所」を確実に押さえる。これを中学校の入学前、遅くとも入学後の早い時期にしておくことは、中学校の学習を進めるために決定的に重要です。

ここまでご紹介した学習方法を用いれば、「効率的かつ効果的」に、小学校の漢字のおさらいができるでしょう。

隂山 英男 教育クリエイター、隂山ラボ代表

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かげやま ひでお / Hideo Kageyama

1958年兵庫県生まれ。岡山大学法学部卒。兵庫県朝来町立(現・朝来市立)山口小学校教師時代から、反復学習や規則正しい生活習慣の定着で基礎学力の向上を目指す「隂山メソッド」を確立し、脚光を浴びる。2003年4月尾道市立土堂小学校校長に全国公募により就任。百ます計算や漢字練習の反復学習を続け基礎学力の向上に取り組む一方、そろばん指導やICT機器の活用など新旧を問わず積極的に導入する教育法によって子どもたちの学力向上を実現している。近年は、ネットなどを使った個別の小学生英語など、グローバル人材の育成に向けて提案や実践などに取り組んでいる。

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