読み聞かせしてるから「国語は大丈夫」の大誤解 小1の勉強は「漢字・計算」だけでいいと言える訳
「百ます計算」を徹底反復した子は、すでに九九の下地ができています。もともと子どもは暗記力が強い。そこに「百ます計算」で脳に刺激を与えているので、本当にあっという間に覚えます。小1のくりあがり・くりさがり、小2の九九、算数には学年ごとに大きな課題がありますが、それらについても計算の基礎力が身についていれば心配はいりません。
(なお、九九やくりあがり・くりさがりに関しては、歌で覚えるのもおすすめです。YouTube「隂山英男公式チャンネル」には、「九九の歌」「くりあがりの歌」「手本くりあがりの歌」「くりさがりの歌」「手本くりさがりの歌」などがアップされています。なんと、僕が熱唱しています。聞いているうちに覚えられるのでおすすめします。)
社会と理科は日本語さえわかればわかる
──国語や算数がとにかく大切なのはよく伝わりました。でも、社会や理科も同じくらい大切ですよね?
隂山:「大事なのは算数と国語」と言っても、僕は何も、小学校の社会や理科は捨てろと言っているわけではありません。算数と国語ができるようになったら、おのずから社会と理科はできるようになるから、まずは算数と国語だと言っているのです。
なぜだと思いますか? 小学社会と小学理科は、日本語がわかれば理解できることしか書いておらず、中学校以降の社会・理科との連続性がないからです。とくに低学年の社会は「わたしたちのまち」や「わたしたちのくらし」などで、地元の名所を調べたり、自分たちの暮らしを振り返ったりします。
高学年になれば日本の歴史を学んで織田信長など出てきますが、前述したように中学でも高校でも出てきます。理科も同じで、花壇の花を調べてみたり、池の魚を観察したりというようなことをした記憶が、みなさんにもあるのではないでしょうか。
つまり、知的好奇心を伸ばすために身の回りのいろんなこと、ものを知りましょう、調べてみましょうというのが小学校低学年の社会・理科の目的です。一生を通じて必要となる基礎学力を身につけようとする算数や国語とは、まったく異なっています。
地図記号や世界の首都など、覚えなければいけないものもありますが、それらは漢字をしっかり書き取り練習していて日本語が読め、「百ます計算」や九九を通じて集中や暗記のしかたを身につけていれば、さほど難しいものではありません。
もちろん、社会や理科にも苦手意識を持たないことは大切です。好きだと思ったまま中学へ進学するためにも、知的好奇心を育てるサポートをしてあげられるといいですね。
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