「2年で2倍」電気代高騰し続けるフランス人の悲鳴 4人に1人が電気・ガス代払えないという調査も

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電気代の高騰は悩みの種で、2021年に行われた調査では84%の人がエネルギー消費に関して懸念を抱いていると答えた。そして60%の人が電気代を気にして暖房の消費を節約したそうだ。

結果として、家の中で寒さに耐えていると答えた人は2020年では14%だったのが2021年では20%に増えている。25%の人が電気やガス代の支払いに困難を抱えているという。これにはコロナの影響も含まれていて、2020年以降はテレワークや失業者の増加により以前よりも電気の消費量が増えたことも関係している。

電気代が2年で2倍に

でもどうしてフランスでこんなにも電気代が高騰したと思う?

電力会社のEDFは古くなった原子力発電所のメンテナンス処理に今後2000億ユーロの投資をしなければならない。そのうえ、開発費用は年々上がる一方で、その影響が電気代の高騰につながっている。電気代はこの2年で2倍も上昇している。

現在、フランスでは、エネルギー転換法に基づいて、再生可能なエネルギーが占める割合を増やすことを目標としている。そのため、多くの再生可能なエネルギーの開発会社が市場に現れることとなったが、今のところでは、再生可能なエネルギーは原子力発電よりも費用がかかかるため、結局は消費者がその分高い電気料金を支払うこととなる。また、現在開発中の新型原発(欧州加圧水型炉)の開発コストが予定よりも上回っていることも原子力発電の値上げに影響を与えている。

そのほかのヨーロッパの国々もけっしていい状況とはいえない。多くの国で天然ガス発電が重要な位置を占めており、近年の気候的な条件(風力発電に十分な風力がないなど)で再生可能なエネルギーの開発が進んでいない。

そのためヨーロッパ全体の電気料金は天然ガスの値段に大きく左右されることとなっている。2021年の9月には年初と比較して天然ガス価格がなんと300%もの上昇を記録した。

天然ガスの需要は国際的に高まっており、世界全体がこのガスの価格上昇の影響を受けた。アメリカでは2021年初めからガス価格が倍になり、ブラジルでは干ばつの影響で水力発電に支障が出たため、ガス発電で補う必要があったために、電気料金の高騰が生じた。

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