「普通」を知るためにツイッターの乱読が有用な訳 性別や世代を超えて考えてみることが大事

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「今の普通」とはいったい何か。好き嫌い関係なくSNSを読むことで見えてくるものがあるようです(写真:metamorworks/PIXTA)
投資やビジネスにおいて、「先を読む力」は重要なスキルの1つです。先を読むことができれば、未来に先回りして手が打てるため、かなりの成功が約束され、しなくてもよい失敗を避けることもできるはずです。では、どうすれば先を読むことができるのでしょうか。
運用資産残高1兆円を超える(※)レオス・キャピタルワークスを率い、カリスマファンドマネージャーと言われる藤野英人氏は、「先を読むとは、トランプの神経衰弱のようなもの」と言います。いったいどういうことか、藤野氏が新刊『プロ投資家の先の先を読む思考法』をもとに3回にわたって解説します。※2022年4月時点

前回の記事では、私が「先の先」を読んで思考するために、まず「今」を知ること、つねに自分をアップデートし続けることを重視しているとお伝えしました。

「今」をより深く、広く知って理解していくためには、「多方面からの情報収集」や「多角的な思考」が必要です。今回は、私がそのために実践していることをご紹介したいと思います。

フォローする3万人の属性は多様

私がしているトレーニングの1つは、Twitterでフォローしている約3万人のツイートを読むことです。1日か2日に1度ほどTwitterを開き、5分か10分ぐらい、高速で流れていくツイートを拾い読みするのです。

フォローしている3万人は、なるべくランダムに選びました。自分と趣味が似ているとか思想が近いといったこととはまったく無関係に、どちらかといえば年齢や性別、学歴、居住地域などができるだけ多様になるようにフォローしています。

3万人のプロフィールをすべて覚えているわけではありませんが、10年近くTwitterを眺めているので、この人たちのことはなんとなく頭に入っています。Twitterを通して、さまざまに異なる属性を持つ人たちが日々どんなことをつぶやいているのかを定点観測しているわけです。

とくに世の中で大きなイベントがあったときは、多くの人が同じイベントについてつぶやきますから、「そのイベントに対してどのような感情が起きうるのか」を知るためのサンプリングとしてツイートに注目します。

3万人のツイートを眺めていると、「世の中の人が全般的にどう思っているのか」「この属性の人はどう考えることが多いのか」といったことがおぼろげながらつかめてきます。

多様な視点を得ることができれば、例えば「他の人が不快に思うことを悪気なくうっかりやってしまう」といった生活上のリスクを減らすことができますし、自分と属性の異なる人とコミュニケーションがとれたり、世の中のトレンドが見えたりもするのです。

「この商品・サービスが世間で受けるか受けないか」といった予測も、当たる確率が高まります。

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