ママが働ける環境を作るのは企業の責任です 短い時間でも働けるような仕組みが必要

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田中和子(たなか かずこ)
博報堂リーママプロジェクト リーダー。40社400人の働くママとの「ランチケーション」や、2万9900人のいいね!で支持される「はたらくママの声を届けよう!」Facebookページを通して、ママたちの元気を支える「糧(かて)ことば」を集める。ほかに、新クリエーティブ事業開発や、グループ子会社VoiceVisionで共創コミュニティ・プロデュースを手掛ける。2男1女の母

田中:増えてはいるけれど、働き方が変わらない。それをどうするのかが私たちの課題でもあります。でも逆に、働く母の働き方にみなさんが合わせていただけると、みなさんがもっとハッピーになるんじゃないの?という問いかけをしています。

塩野:その、「みなさん」とは、どなたですか?

田中:塩野さんのような男性です(笑)。あとは子育てに従事しなくてもいい方々です。独身や、場合によってはDINKSも含めて。

いろんな人事の方との交流の中で、この間、ひとついい言葉を伺ったんですよ。最近、プレーヤーが変わってきているんですって。今までは仕事を一生懸命やることだけが人生の充実だったけれど、これからは仕事だけじゃなくて、ほかのことも大切にしたい人たちが増えてきている。会社だけじゃなくて、夜は学校に行ってMBAを取りたいとか、習い事をしたいとか、会社以外のネットワークも大切にしたいという人たちが増えている。例えて言えば、今までの働き方はプロ野球みたいだった。延長試合がOK。仕事が終わるまでずっとやる。そうじゃなくて、限られた時間の中で終わらせたいという人たちが増えてきていますね。

半分にするのは人か時間か?

塩野:なるほど。日本のホワイトカラーの生産性って、OECD先進国でいちばん低いと報告されていますね。実を言うと、おそらく日本のホワイトカラーの半分はいなくても大丈夫です。実際にある大企業は、業績不振のときに本社のホワイトカラーの人たちを半分にしてしまいました。今は業績を回復していますが、外形的には半分で仕事が回るのか、とみんな思いますよね。

田中:ドラスティックに(笑)。私は半分の人がいなくていいというのはかわいそうだから、みんなが働く時間を半分減らせばいいと思います。

塩野:あともうひとつ。シリコンバレーのベンチャー企業なんかは、ある時間内に一定のアウトプットが出せないと能力が低いと見られてしまう。時間内にどれだけアウトプットできるかを、優秀さの定義に置いている。定義の違いかなという気がします。

田中:真の成果主義ですよね。あとはマネジメントの管理の仕方。その道のプロの塩野さんには釈迦に説法だと思いますけど、労使関係が全然違いますよね。

塩野:なるほど。それはどういうことですか?

田中:使われている身からすると、私が提供する時間は9時から5時までです。その間にできる範囲の仕事をマネジメントするのがマネジャーの仕事でしょう、だから5時になったら帰りますよと本当は言いたい。

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