ポーラ・オルビスが挑む訪問販売と店舗の融合

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 開始以降、ポーラレディも変わった。かつては家事の合間にエプロンを外し、そのまま販売に出るような50~60代の主婦が中心。しかし現在、店舗では20~30代が8割だ。「ポーラ ザ ビューティのオーナーを目指す起業家精神でポーラレディになる若い女性が増加。同時に若い顧客も上乗せされた」(町田取締役)。09年、20代で月商1000万円を超えるポーラレディが3人誕生した。

中国・ロシアに照準 海外でも訪問販売を

ポーラが次に狙うのは、資生堂など競合が先行する海外市場の開拓だ。現在の海外売上比率は3%にすぎないが、その中で注力しているのはロシア。07年、国内化粧品メーカーで初めて現地法人を設立。3年連続、前期比2倍以上の伸びを示している。現在は百貨店4店とパヒューマリーといわれる高級化粧品店51店で展開しており、今期中にその数は100店に拡大する見込みだ。

中国での訪問販売も視野に入っている。「中国の訪問販売の化粧品市場は3000億円以上。すでに日本を上回っている」。海外事業担当の清水信夫執行役員は期待する。中国の訪問販売は政府によるライセンス制。外資企業への障壁は高く、許可を取ることは困難だ。そこで提携やM&Aでの参入を模索している。

こうして海外市場で勝負に出るためにも、国内での基盤固めが必要だ。現在3割のポーラ ザ ビューティの売上比率を4割以上に拡大し、収益柱として育成できるのか。この成否が、同社の上場後の評価を大きく左右することになるだろう。

(島田知穂 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2011年2月5日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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