ポーラ・オルビスが挑む訪問販売と店舗の融合

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新店舗で広がった顧客層 若い販売員も増加

現場力をもっとうまく使えるはずだ--。鈴木社長はずっともどかしく感じていたという。

鈴木社長は創業者、鈴木忍氏の孫。機械いじりが好きで、早稲田大学理工学部の大学院卒業後、本田技研工業で小型車の新車開発をしていた。7年在籍した後の86年、32歳でポーラに入社した。

1970年代に絶頂期を迎えたポーラは80年代に入って迷走していた。というのも、シロアリ駆除業者や羽毛布団のセット販売に代表されるような悪徳商法のイメージが定着し、訪問販売を取り巻く環境は極めて厳しいものになっていたのである。

ポーラも空気清浄機や鍋など見境なく販売。「(信頼を裏切るような販売が)ポーラにもなかったとは断言できない」と鈴木社長は振り返る。

当時の2代目社長は現・鈴木社長の叔父。叔父には子供がなく、鈴木社長はトントン拍子に出世。誰の目にも社長になることは明らかだった。00年、社長に就任すると、訪問販売の再生に手を付けた。やるべきことを書き留めたメモは200件に上っていたという。

現場は本社よりも一歩先を見ていた。「もう訪問販売はダメなんじゃないかしら。こう何度も実感してきた」。ベテランのポーラレディは口々に語る。女性の社会進出で在宅率は減少。マンションのセキュリティが厳しくなり、顧客の顔すら見られないこともザラだ。


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