ポーラ・オルビスが挑む訪問販売と店舗の融合
2010年12月、国内化粧品業界4位、ポーラ・オルビスホールディングス(HD)が東証1部に上場を果たした。
同社の売り上げの半分以上を占めるのは、訪問販売の高級化粧品ブランドである「ポーラ」。しかし、化粧品の訪問販売市場はここ20年、縮小の一途をたどっている。訪問販売を主力とし、かつて化粧品世界最大手だったエイボンの日本法人エイボン・プロダクツは連続赤字と苦戦し、3月をメドにTOBによる上場廃止が決まった。
ポーラ・オルビスHDは創業事業「ポーラ」だけでなく、通信販売ブランドの「オルビス」を立ち上げるなど多角化に取り組み、どうにか化粧品大手の座を守ってきた。そして今、独自店舗の拡大で、訪問販売市場の閉塞感を打ち破ろうとしている。
利益貢献が始まったポーラ ザ ビューティ
その独自の店舗網が、05年から開始した化粧品店「ポーラ ザ ビューティ」だ。駅前や道路沿いに毎年100店近く出店、10年末には500店に達した。11年12月期は30~40店の出店を見込む。
顧客の平均購入単価は2万円と高い。リーマンショックで大手化粧品メーカーが軒並み苦戦した08年度も、既存店は2ケタ増を維持するなど、好調に推移している。
09年度までは初期投資が先行していたが、10年度からは利益貢献が始まった。出店戦略を主導した鈴木郷史ポーラ・オルビスHD社長は、「やっと戦略が芽を出し始めた」と期待を寄せる。長らく減収を続けてきたポーラだが、10年度はやっと、増収に反転できたもようだ。