「ネガティブな感情」抑えてはいけない本当の理由 感情を「麻痺」させても同じことは起こりうる
この段階になると、すでに自分の感情を意識的に観察することを始めている。私たちの思い込みの多くは、誇張や誤解、自分に押しつけられた他人の意見などがもとになっている。
そこで、それらの間違った考えや批判に、心の中で意義を唱えてみよう。
自分の思考回路を分析し、ネガティブな思考パターンをもっとポジティブな思考パターンに変えていく。
思考の裏にある思い込みに意義を唱えるには、まずその信憑性を疑ってみよう。
たとえば、サラは自分に「私がブスだというのは本当なのか?」と尋ねた。この質問について深く考えていくうちに、自分がそう感じる理由について多くを学ぶことができた。
この段階まで来たら、今度はさらに深く掘り下げる質問をする。それに加えて、もっと極端な質問をしてもいいかもしれない。極端な質問は、極端な答えにつながるからだ。
サラの場合は、「それはつまり、私は永遠に幸せになれないということなのか?」という質問をした。
サラは質問についてよく考え、そして自分が状況を大げさにとらえていたことに気がついた。メッセージの返信がなかったからといって、自分が一生幸せになれないと決まったわけではない。またサラは、自分が喜びを感じるのに、他人は関係ないということも思い出した。
自分で「悲しい状況」を作り出してしまいがち
自分に質問をすると、自分の中にあった思考の限界に気づくことができる。サラもそうだった。自分の思い込みが間違っていること、ただ状況のネガティブな側面だけを見ていたことを理解できた。
過去のイヤな経験を思い出し、問題の核心に迫るような質問を自分にしてみよう。
私たちはよく、潜在意識の中でこういった過去の経験から勝手にネガティブな結果を引きだし、自分で悲しい状況をつくりだしてしまう。それに気づくことが大切だ。
自分の中に「教訓」として蓄積された勝手な思い込みに意義を唱えよう。間違った教訓を放置しておくと、潜在意識の中で何度も再生されてしまう。
それらはやがてあなたの心の重荷になり、あなたを落ち込ませることになる。