池上彰さん解説「ゼレンスキー氏」各国演説の中身 「日本国民に伝えたかったこと」とは何か?

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ウクライナのゼレンスキー大統領の12分間にわたる演説は生中継され、多くの人の関心を集めた(写真:arucik/PIXTA)

ウクライナのゼレンスキー大統領が日本の国会で演説をした。各国で人々の心を打つ言葉を紡ぎ出してきた。なぜ感動を呼ぶのか。AERA2022年4月4日号の記事を紹介する。

予測されていた日本での演説の内容

ゼレンスキー大統領の演説が終わったとき、「あれ、自分は何を期待していたんだろう」と思ってしまった。

当記事は、AERA dot.の提供記事です

ウクライナのゼレンスキー大統領は、世界各国の議会に向けて、対ロシアの戦いへの支援を呼びかけてきた。どこの国に対しても、その国の国民の琴線に触れるような題材を選び、その国の国民がみんな知っているフレーズを引用して共感を集めてきた。その手法は見事なものだった。

では、日本の国民に対しては何を語りかけるのか。演説の前からテレビのワイドショーやニュースでは、この話でもちきりだった。

ウクライナへの空爆をヒロシマ、ナガサキになぞらえるのではないか。

ロシアによって不法占拠されている北方領土に言及して、ウクライナの人たちへの共感をかき立てるのではないか。

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