日本人は「ポイント好き」と言われる。実際、財布やスマホの画面がポイントカードやアプリでいっぱいという人は少なくない。
特に貯めている人が多いのが「共通ポイント」だろう。かつて、ポイントとはショップ独自のものだった。その代表が家電量販店のポイントで、オトクだが自社でしか使えない。ところが特定の1社だけでなく、業種や業態も異なる多様な店で「共通」に貯まり、使うことができるポイントが登場した。
さきがけは、ご存じTポイント。その後にPontaが登場し、さらに楽天ポイント(当時は楽天スーパーポイント)がオンラインからオフラインの場に共通ポイントとして参入。続いてドコモが付与するdポイントが加わり……と、共通ポイント界は百花繚乱に。中には「全部貯めています」というツワモノもいるだろう。
しかし、4月からここにもう一つ、強力な「ポイント」が加わった。PayPayポイントだ。PayPayといえば2018年のサービスイン以降、「100億円あげちゃう」を始めとする高還元率キャンペーンを頻発し、黎明期のスマホ決済市場を一気に刈り取っていった。これまでPayPayが決済に対して付与していたのは、ポイントではなく「PayPayボーナス」という名称だった。
実質ポイントと同義語だったとはいえ、こうした記事を書く時にはすっきりしなかったものだ。しかし、いよいよPayPayポイントとしてお披露目を迎えた。共通ポイントは名実ともに5強の時代を迎える。
「ポイント経済圏」としては方向が違う?
名称を改めると同時に、ECでのポイント付与も変更された。これまでヤフーなどオンラインサービスの利用ではPayPayボーナスとともにTポイントが付与されてきたが、それが終了しPayPayポイントに一本化。
以前はキャンペーンで「3%還元」とアピールしても、3%のうち1%がT、2%がPayPayボーナスだったのが、そのねじれが解消され、3%がまるまる還元される。単純に貰えるポイントが1%増えることになり、お得感も増す。
日本で最も使われているスマホ決済の地位を固めたうえでの、この転換。クレジットカード「PayPayカード」の発行を開始し、いよいよ「PayPay経済圏」が回り出すのだろう。
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