かつて共通ポイントと言えば、コンビニが主戦場だった。Tポイントはファミリーマート、Pontaはローソン・dポイント、楽天ポイントは今はなきサークルK・サンクスというように、1社ずつの縛りもあった。そんな中、スーパーは本来独自のポイントをつけていたため、共通ポイント導入は遅れていたが、徐々に増えてきている。Tポイントはマルエツや東武ストア、Pontaはライフや成城石井、dポイントはライフ、そして楽天は東急ストアと今回の西友とのスタートだ。
現在、私たちの暮らしに欠かせない食品の値上げぶりがすさまじい。食品メーカーが発表する価格改定のお知らせで、1冊本ができそうなほどだ。そんな中、生活必需品の購入に使えるポイントは、立派な節約ツールとなるだろう。
付与する事業者側としても、身近な小売店でデイリーに使ってもらえるのは大きいし、購入データも蓄積できる。楽天と西友の協業は、まさにこうしたデータを今後のマーケティングに生かす狙いがある。今後の共通ポイントの主戦場は、徐々にスーパーやドラッグストアなどの生活消費の場に移っていくと筆者は予想している。
気になるTポイントの行方は
無論、他のポイントの動きも騒がしい。携帯会社という強固な後ろ盾があるau×Pontaは金融機関との連携で付与機会をアップ、dポイントもポイント獲得ステージを6月にリニューアルと、淡々と自社の経済圏を構築している。
こう見ていくと、Tポイントの行方は大いに気になる。ファミリーマートとの蜜月も終わり、ECではヤフーとも離れることになった。Tカードの会員数は7068万人(2021年3月末。名寄せ後の利用会員数)おり、ウエルシアで20日にポイントを使うと1.5倍分の買い物ができる「ウエル活」は相変わらず主婦に人気だ。
ECでの大黒柱は失ったとはいえ、共通ポイントとしての歴史は古いだけあり、貯められる店舗は多い。それこそ、強力な小売りチェーンの提携を強めれば、リアルの場で存在感を発揮することはできると思う。
PayPayボーナスが名実ともに「ポイント」となり、T、Ponta、楽天、dに加えて5大共通ポイント時代が本格化する。そこにnanacoやWAON POINTという流通系ポイントも加わるわけだが、消費者としては「家計節約に最も使える」ポイントは何かという視点が欠かせない。
「ポイント経済圏」にエントリーすると、いかにたくさん貯めるかばかりが話題となり、高還元率キャンペーンについ注目が集まるものだ。しかし、ポイントを通貨に例えるなら、それぞれ別の国(経済圏)の通貨なので合算することができない。
ポイ活そのものが趣味という人以外は、生活必需品の購入に使いやすいポイントをメインに据えるといいだろう。スーパー、ドラッグストア、ホームセンターなどで、どんなポイントが便利に使えるのか。それが楽天であれ、PayPayであれ、Tであれ、それがあなたにとっての正解になるはずだ。
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