面接担当者から最後にうながされる逆質問ではなく、説明会での質問のしやすさ・しにくさに言及するコメントも多い。
対面形式の説明会よりもオンライン形式のほうが一般的には質問しやすい。画面越しなので緊張せずに質問できるのだろう。
「オンラインでの説明会は、チャット機能があり質問しやすかった」(文系・上位私立大)
「オンラインのため、勇気を出さずに聞けました」(文系・その他私立大)
ただ、質問の数が多すぎると回答時間の物理的な制約があり、質問できないこともある。また、手を挙げているのに気づいてもらえない学生もいる。こういう学生の気持ちは萎えるだろう。
「オンラインで70人規模の学生がいて、質問時間が限られており、確認したい質問ができなかった」(文系・中堅私立大)
「対面であれば質問できたのに、オンラインになると急に自分からアクションを起こすのが難しくなった。画面越しに手を挙げるタイプは勇気がいるし、参加人数が多いとなかなか気づいてもらえない子もいてかわいそうだった」(理系・その他私立大)
進行と説明は分けたほうがいい
大人数のオンライン説明会の問題点は、進行役も説明役も同じ人間が行うことにある。学生を満足させながら進行するためには役割を分けたほうがよい。次の学生が経験したようにファシリテーターを置いて、学生と人事のマッチングをさせるのである。
ファシリテーターの役割はテレビ番組の司会進行役と同じだ。学生が手を挙げるのを見てファシリテーターが指名する。学生の質問を聞いてその内容を確認し、人事に説明をうながす。人事の説明が終わったら学生に満足したかどうかを確認し、次の質問に移る。こうすれば他の学生にも質問と説明が理解できるので満足度が上がる。
「オンラインの場合、大人数だと、直接聞きにくい。逆に、質問がなくても、絶対しないといけない雰囲気になる。とある説明会では、ファシリテーターが企業と学生の間に立って、相互に質問を繋いでくれたので、スムーズだった」(文系・その他国公立大)
オンラインが主体の新卒採用は2020年春に始まり、今年で3年目。企業も学生も慣れてきた。ただし、オンライン化に伴う工夫は各社各様だ。工夫は共有化すべきだと思う。ファシリテーターを置く説明会が普及すれば、企業と学生の双方にメリットがあると思う。
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