ネット配信拡大で変貌する「映像ジャーナリズム」 報道はTVニュースから配信ドキュメンタリーへ

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U-NEXTにて独占配信中の『カルロス・ゴーン 最後のフライト』。こうしたジャーナリズム的なドキュメンタリー作品が動画配信サービスに数多く見られるようになった © MBC Studios

昨今、国内外のドキュメンタリー作品を目にする機会が動画配信を中心に増えている。実際、動画配信サービスのU-NEXTでは、同視聴者数が過去3年間で4倍に伸長しているという。その背景にはなにがあるのか。

メディアが紙媒体からネットへと移り変わってきたように、映像ジャーナリズムはテレビニュースから配信ドキュメンタリーが表現手法として主流になっていくのか。現状とこれからを掘り下げてみる。

話題作が増えてきている

ドキュメンタリーといえばまず思い浮かぶのがNHKだろう。良質な作品を自局で制作するほか、世界各国のテレビ局や独立系プロダクションのドキュメンタリーをBSチャンネルも含めて国内外で放送している。そのテーマも環境問題から紛争やテロ、社会問題まで多彩だ。

近年では、国内の身近な題材を定点観測する『ドキュメント72時間』といったレギュラー番組を設けてより幅広いテーマをすくい上げている。それらが映し出す濃密な人間ドラマや知られざる世の実情は、それまで縁がなかったような新しい知識を授けることで知的好奇心を満たすとともに視聴者を魅了してきた。

民放でもキー局をはじめ全国のローカルテレビ局は、昔からドキュメンタリー番組を積極的に制作している。とくにローカル局にとっては、報道としての意義のほかに、出演料やセット、ロケ撮影など制作費の膨らむドラマに比べて、カメラひとつで撮影、作品化できるというメリットもある。さらに題材についても、地域ならではの社会問題や事件をテーマにすることで他作品との差別化につながる。

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