いい人間関係「開拓」したい人に伝えたい4大秘訣 現代社会で忘れられている「頼り合う」メリット

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人は、1人で進めるよりも、自分とは違う能力やネットワークを持つ他人と協力することによって、単独で取り組んだときよりも大きな目標を達成することができます。

仕事上で、プロジェクトの結果に直結する個人の「能力」が重視されるのはもちろんですが、チーム全体の成果・目的から考えれば、チームの仲間に期待されているのは、ずば抜けた能力ではありません。

アメリカのビンガムトン大学の研究チームによると、仕事仲間を選ぶ際には能力よりも「親しみやすさと信頼性」が重視され、「人的資本」と「社会的資本」を持ち、チームへの参加意欲が強い人が求められます。チームにとっては、個人のスキルだけが必要とされているのではなく、ほかの人と生み出す相乗効果が必要とされているのです。

これからは、勤め先や肩書ではなく、誰もが個人として価値を持ち、生き抜く時代です。また、多世代、多様な人材との切磋琢磨を通じて、自分の才能を磨き、成長する必要があります。

現代を生き抜く個人が持つべき「起業家精神」

私は以前から、自分がライフワークとする分野で起業してみたいと思い、「アントレプレナーシップ(起業家精神)」に関する本を読んだり講座を受けたり、勉強をしたりしていました。

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2021年からは、早稲田大学が主幹機関を務め、神奈川県立保健福祉大学が共同機関を務めるT-UNITEが提供するアントレプレナーシップコースで学び始めました。

早稲田大学は、アントレプレナーシップセンターやグローバル科学知融合研究所などで人材を輩出しており、学生だけでなく、新しいことに挑戦したい、生涯学習者を志す社会人にも学習の機会を提供しているのです。

起業、というと、私も昔はベンチャー企業を立ち上げることをイメージしていましたが、ハーバード・ビジネススクールによると、アントレプレナーシップとは「コントロール可能な資源を超越して機会を追求すること」(アントレプレナーシップ研究のゴッドファーザー、ハワード・スティーブンソン教授)だそうです。

この「個人でも自分の強みを活かして活躍する精神」は、限られた資源を超えて、新たな製品/ビジネス/サービスなどを創造する姿勢、活動全般を指し、外部環境が激変する現代を生き抜く際に個人が持つべき重要な素養と考えられます。

「この会社の中にいれば助けてもらえる」「自分から求めなくても誰かが何かをしてくれる」という時代ではなく、これからますます個人としての能力が求められる時代になるからこそ、「アントレプレナーシップ」とともに「ソーシャル・キャピタル」そして「受援力」を築く意識が必要となってくるのです。

前回記事:実は「人に頼るほど自分の能力も高まる」納得理由
前々回記事:「人に頼る=恥」と考える人に伝えたい重要な視点

吉田 穂波 医師、神奈川県立保健福祉大学大学院ヘルスイノベーション研究科教授

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よしだ ほなみ / Honami Yoshida

三重大学医学部卒業後、聖路加国際病院で臨床研修ののち、名古屋大学大学院医学系研究科で博士号取得。その後、ドイツとイギリスの産婦人科及び総合診療の分野で臨床研修を行い、帰国後は女性総合外来の創設期に参画。2008年、0歳から3歳まで3人の子どもを連れてハーバード公衆衛生大学院に留学。卒業後は同大学院のリサーチフェローとなる。2011年の東日本大震災では産婦人科医として被災妊婦や新生児の支援に携わる。このとき「受援力」の大切さを痛感し、無料でダウンロードできるリーフレット『受援力ノススメ』を作成。国や地方自治体の検討会など、全国で「受援力」を学ぶ場作りに取り組む。4女2男の母。

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