いい人間関係「開拓」したい人に伝えたい4大秘訣 現代社会で忘れられている「頼り合う」メリット
ソーシャル・キャピタルのポイントは、その言葉のとおり「キャピタル(資本)」であるということです。リソース(資源)は使い続ければ枯渇しますが、キャピタル(資本)、つまり、助け合える社会的なつながりは、開拓し、投資し、増やすことができるのです。
それではどうやって人間関係を開拓し、育てていけばよいのでしょう。
人といい関係を続けていくには、まず「心理的安全性」(「否定されない、拒絶されない」と感じられ、安心して何でも言い合える状態)が必要です。
この心理的「安全」「安心」レベルを上げていくために私が重視しているのは、自分が接する相手に対して、①受容、②傾聴、③誠実、④共感の4点を持って向き合うことです。
・メンバーの話を受け入れ、相槌や、うなずきを交えながら聞く
・メンバーから勧められた本や情報を読み、出されたアイデアを積極的に取り入れ、「あの本、○○だったよ!」と報告する
・食事会や雑談会など、メンバー同士の交流を促進する機会を企画する
・メンバーの話を遮らずに最後まで聞く
・メンバーと話す時の表情や声のトーンで相手に安心感を与える
・メンバーからの、自分にとって耳の痛い話に対しても聞く耳を持つ
・メンバーとの会話の内容は他人に口外しない
・自分が知らないこと、わからないことは正直に開示してメンバーに相談する
・メンバーの感情に共感する(「わかりますよ」ではなく具体的に)
・「そうなんだね」「辛かったんだね」
日常的なおしゃべりや雑談も大切
この4つのほかにも、日常的なおしゃべり、本題とは関係ない雑談も大切にしています。
「相手がこれまでやってきた仕事の歴史」「印象に残っている仕事上の成功や失敗」「好きな言葉や仕事のスタイルなどの自分の性格」「好きな食べ物や趣味、家族構成」など、メンバーをより身近に感じられるようにさまざまな質問をします。あらかじめお互いがどんな人間なのかを知ることで、安心してもらうことができるからです。また、メンバー同士が気軽に話しかけるきっかけをつくりたいという気持ちもあります。
仕事上の相手にここまでしなくても、と思われる人もいると思いますが、この4つを重視しているのは、私が医療従事者で、相手との信頼関係にとても重きを置いているためかもしれません。
また、東日本大震災の被災地支援(前々回記事『「人に頼る=恥」と考える人に伝えたい重要な視点』参照)で、外から支援に駆けつけたよそ者の私が、被災された皆さんとフラットな関係を築き、なんでもオープンに話してほしい、頼ってほしい、よそ者の私たちと一緒に、健康で便利な街として復興するためにお手伝いさせてほしい、と必死になった経験から学んだことでもあります。
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