SUBARUの水平対向エンジンは「永久に不滅」か? カーボンニュートラル燃料でレース参戦の本音

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斜め後方に車両があるとサイドミラーの一部が点灯してドライバーに知らせる、ブラインドスポットウォーニング機構も量産車同様に搭載していた。ただし、マシン後部には専用の燃料供給システムを搭載している。

質問:技術ロードマップをどう描いていくのか?

予選終了時点でスバルの中村知美社長、およびCTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)の藤貫哲郎氏、そして本井チーム監督が報道陣との意見交換に応じた。その際、筆者は水平対向エンジン存続に対する含みを持たせる形で、次のような質問をしてみた。

「スバルは、量産車でエンジンやトランスミッションの選択肢が少ない。そのうえで、ヨーロッパ起点での急激なBEVシフトがあり、今年は『ソルテラ』を発売する。一方で、主力市場のアメリカでは(エタノールとガソリンを合成した燃料の)E85対応も必須かと思う。グローバルでカーボンニュートラルに向けた技術ロードマップをどう描いていくのか。それは、いつごろ発表するのか」

ほぼ量産状態でカーボンニュートラル燃料に対応させた水平対向2.4リッター4気筒エンジン(筆者撮影)

筆者のこの質問に対し、中村社長は次のように回答した。

(スバルの事業は)北米軸足なので、北米中心にどういった対応をとっていくか。一番(気にして)見ているのは北米の規制だ。そのうえで他の市場(の規制等)に合わせていく(という方向で)煮詰めている最中だ。

先回の技術ミーティングはコロナ禍の前で、それから2年が経過した。この2年間の市場(動向や規制)変化は我々の想定以上に大きかった。また、その当時不透明だった規制に対して、明らかになったことや決まったことがある。

それに向けての対応やロードマップを、また(BEVについて)今年はソルテラが出るが、次のBEVは(いつ)どこで作って、どこをどうやって作るか。(解を見出すには)難しい方程式だと思う。長期目線で大きく、BEVに切り替えるとは至っていない。そのため、(カーボンニュートラル燃料を使った)こうした挑戦もしているところだ。技術ロードマップのアップデートは、できれば来年度にやりたいと思っている。

同様に、藤貫CTOからも回答を得た。

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