日本の国技「大相撲」の知られざる裏側 裏方の職人技はここまでスゴい!
また、相撲を見ていて「そもそもあの土俵は誰がつくっているんだろう?」と疑問を抱いたことがないだろうか。
呼出の大きな仕事のひとつが「土俵づくり」だ。意外と知られていないが、土俵をつくるのも実は呼出がやっている。本場所の土俵は、呼出40名以上が総動員で3日間かけて土のみでつくる。土が柔らかければ、力士のケガの原因になりかねない。
「妥協はいっさい許されない」
呼出はタコ、叩きという専用の道具でしっかりと土をたたき固めて土俵を完成させる。地方巡業では呼出の数も限られているため、地元の人の協力を得ながら、土俵型の枠をつかい、短時間で土が乾くように土にセメントを混ぜて作る。「土俵は力士が、命をあずける場。安心して取組が出来るよう、いっさいの妥協は許されない」。呼出は誰もがそう口を揃える。
相撲の起源は1500年以上前、古事記や日本書紀の中にある神話にまでさかのぼる。戦国時代になると武士の訓練として盛んに相撲が行われるようになった。江戸時代には、相撲を職業とする人たちが現れ、将軍上覧相撲も行われ相撲の人気は急速に高まり、今日の大相撲の基礎が確立されるに至った。
「クールジャパン」「東京オリンピック」などグローバル化が叫ばれる現代に、我が国特有の文化を再評価する動きが高まっている。日本の文化に深く根ざした相撲もその内のひとつだ。
昨年9月に放送された大相撲秋場所千秋楽のテレビ中継の視聴率が20%を超えたことは話題となった。また、日本相撲協会が2014年3月6日に発表した収支決算では、経常収益から経常経費を差し引いた額が約1億5300万円のプラスと、4年ぶりに黒字転換。2012年度の10億7200万円の赤字から大幅に改善した。八百長問題などの危機で一時下火となった大相撲人気が、再び息を吹き返し始めている。
かつて、「巨人・大鵬・卵焼き」という言葉で並べられ、子どもからお年寄りまで絶大な人気を誇った大相撲。伝統ある日本の国技を、裏方仕事という視点から見つめれば、文化を支える人々の仕事ぶり、生きざまがみえてくる。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら